経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その226 2024年8月24日
経産省は国民に「原発活用」の為の金を払わさせるな、電力自由化を尊重せよ
〜原子力小委員会は核発電の為の「大政翼賛会」か? RABモデルは「打ち出の小槌」か?
 8月20日の「第40回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会」のひどさに驚いた。あまりに国民とかけ離れた原子力小委員会なのだ。
 会議は、「原子力に関する動向と課題」について、事務局が「脱炭素電源投資の重要性」を強調し原子力の「事業環境整備」を問い、事業者側各団体からのプレゼンのあと、委員の3分発言と進められた。電力事業者側だけからのプレゼンテーションで進める「大政翼賛会」だ。
 松久保肇さん(原子力資料情報室)ほか数人が批判的意見を述べた。だが、経産省・資源エネルギー庁のいつものやり方で、強引にコスト上昇が著しい原子力発電の維持・推進の為の金を税金や電気料金から出させようとしている。(会議室からの委員発言にハウリングが入るのも経産省の悪辣さか?)
 以下は小委員会の進行要約。 □原子力に関する動向と課題・論点について(8月20日原子力小委員会から)
【事務局より説明】
 半導体工場とデータセンターの電力需要増加を理由に、脱炭素電源投資の重要性を強調。原発活用国の原発維持策を説明。「原子力の活用の主体である事業者の観点から見た、既設炉の最大限活用及び次世代革新炉の開発・建設に関する取組や投資における課題に対し、どういう対応が必要と考えられるか。」を問うた。
【電力中央研究所よりプレゼン】
 電力市場が自由化されている欧米諸国で巨額の初期投資を求められている。英国のRABモデルなど各国の資金調達の方式、原子力発電の「事業環境整備」を紹介。バックエンド(放射性廃棄物、使用済核燃料〉に関する「事業環境整備」も添えて。日本での運用可能性は「別途議論・検討されるべき」。
【電気事業連合会よりプレゼン】
 「原子力の持続的かつ最大限の活用に向けて」と題するプレゼンで、「原子力は持続的かつ最大限活用していくべき電源と位置付け」るべき、「技術・人材の確保といった観点からも、国として具体的な原子力の開発・建設目標を掲げることが重要」と強調し、一方「資金調達環境の悪化」の弱音も。「円滑なファイナンスが可能となる資金調達環境整備」の検討を要望。
【原子力エネルギー協議会(ATENA)よりプレゼン】
「革新軽水炉の取り組みについて」と題して、ATENAで革新軽水炉WGを設置して検討中、「革新軽水炉の導入に向けた開発を進めることは重要」、「革新軽水炉導入の早期実現に向けた取組みを推進」

 電力自由化と発送電分離に反する「原子力小委員会」の「事業環境整備」は絶対に許せない。「第7次エネルギー基本計画」で愚かなRABモデル政策を採用させてはならない。なお、この小委員会で「審査基準について」と題して、GX脱炭素電源法を受けての「電気事業法において、利用政策の観点からの運転期間に関する規律を整備」が事務局から提示されたが、殆んど議論されなかったことを添える。 さて、この小委員会で引用された英国のRABモデルについては、大島堅一さんのお話「究極の原子力・火力(?)延命策 RABモデルの問題点」
をご覧いただきたい。以下はFOEジャパン満田夏花さんからの案内。=>アーカイブ映像:https://youtu.be/tkj_0GjZ7C8?feature=shared
   資料:https://foejapan.org/issue/20240813/19899/


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https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/opinion/2024.html
以上