経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その220 2023年12月18日
東電による汚染水海洋投棄「処理水海洋放出」を糾弾
〜「東電と共に脱原発をめざす会」(12月12日)の質疑から〜
 「東電と共に脱原発をめざす会」を隔月で開催、去る12月12日(火)午後にも東京電力広報部原子力センターの人たちと、事前質問・回答・話合いを持った。私の質問に対する回答から重要と思うことを以下に紹介する。
事前の質問と回答は次をご覧願います。 https://www.jca.apc.org/~kimum/TEPCO231212.html

1 不検出ND(Not Detected)はゼロではない、東電は放射性物質の放出量を過少評価するな
 環境省のサイト(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-02-04-03.html)に、
不検出(ND)=測定値が検出限界値未満、不検出(ND) NOT= 測定値がゼロすなわち、NDが測定値ゼロでは無いと明確に注意を促し、さらに「検出限界値は測定時間や試料の量などによって変化する、と明示。測定時間が長いほど、また試料の量が多いほど、測定限界値は小さくなるのだ。 それ故、東電が示す「放射能総量」の表で「NDである核種の放射能総量は算出しない」のはおかしい。この指摘に、東電は表の出し方を検討すると回答。今後の表の出し方に注目しよう。



2 ALPSの仕様を明らかにせよ、水産資源保護法・水質汚濁防止法を守れ
 今回の「海洋放出」が、水産資源保護法違反ではないのか?水質汚濁防止法違反ではないのか?
放射性物質のみならず水質汚濁防止法で規定する有害物質を出していないかどうかの確認が必要。東電にALPSの仕様を明らかにするように要望した。引き続き追求する。 それにしても、一方で海底土の被覆や魚類移動防止などの「港湾魚類対策」を強化しながら、放射能汚染水を希釈拡散する愚かな施策が理解できない。福島県が、しっかりと福島港湾付近の環境を守り、水産資源保護法違反と水質汚濁防止法違反を許さないことを強く望む。

3 東電が「世界初事故炉からの海外放出」を認めた
 「スリーマイル事故後の米国も、チェルノブイリ事故後の旧ソ連も、事故炉からの放射性汚染物を海外に放出していません」と、東電の意識を問うたところ、東電はこの事実を認めた。 であるならば、「海洋放出」を中止するべきだ。
 放出しなければ、国が肩代わりにして「大半が禁輸措置に関する被害」で11月22日時点で約60件にものぼる賠償金支払いも不要になるではないか。
4 原発は気候変動対策にならない、イチエフ事故と膨大な対策によるCO2排出を無視するな 原発は、クリーンでもグリーンでもない、大量の核のごみ(死の灰)を生み、発生熱量の2/3を海に捨てる海温め装置。ウラン採掘から廃炉に至るまで膨大なエネルギーを消費する。東電が次の文献を回答。
電力中央研究所「日本における発電技術のライフサイクルCO2排出量総合評価(2016.7)」
https://criepi.denken.or.jp/hokokusho/pb/reportDetail?reportNoUkCode=Y06
 「電源別LC-CO2排出量評価結果」を見ると、原子力のCO2排出量が2000年よりも減っていることが不思議だ。3.11事故後の膨大な対策と賠償費23兆円、先が見えない廃炉・汚染水対策により、CO2排出量も膨大になるはずではないか。ゼネコンを喜ばした特定重大事故等対処施設の建設などもCO2排出量を増やすはずではないか。電力中研の評価が疑わしい。
以上