経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その179 2021年8月25日 「真摯な反省」をせず、WHYを追及せず、政策の総括もせず、慣性・惰性で原発続ける経産省 〜第6次「エネルギー基本計画」での原子力記述は出鱈目だらけ〜 |
第6次「エネルギー基本計画」は、8月4日に素案が確認され委員長と事務局に一任された。ところが、素案を眺めてみると「原子力」についての記述があまりに「ひどい」。「事故の真摯な反省」と言いながら、なぜ(WHY)を問わず、今までの原発推進政策の総括もせずに、先例を踏襲して慣性・惰性で計画を記述しているだけだ。 ここでは、素案の中の次の「(6)原子力政策の再構築」に絞って問題点を述べる。 <5.2050年を見据えた2030年に向けた政策対応 (6)原子力政策の再構築 @原子力政策の出発点−東京電力福島第一原子力発電所事故の真摯な反省 A原子力利用における不断の安全性向上と安定的な事業環境の確立 B対策を将来へ先送りせず、着実に進める取組 C国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築>(P.63〜P.74)> まず、@では <東京電力福島第一原子力発電所事故について、政府及び原子力事業者が、いわゆ る「安全神話」に陥り、悲惨な事態を招いたことを片時も忘れず、真摯に反省する とともに、女川、東海第二など重大な事故に至らなかった原子力発電所を含めた 様々な経験を教訓として、このような事故を二度と起こさないよう努力を続けてい かなければならない。> と正しいことを書き、 「事故収束に向けた取組も道半ばの状況」と認め、「原子力に対する社会的な信頼は十分に獲得されていない」を確認、東電の核物質防護など一連の事案を例に「国民の信頼を損なう」と書き <政府や事業者は、こうした現状を正面から真摯に受け止め、原子力の社会的信頼 の獲得に向けて、最大限の努力と取組を継続して行わなければならない> としている。 ところが、A以降がめちゃくちゃだ。 まず、なぜ@の状態になったかについてのWHYの議論が全くない。 そればかりか、以下の記述は、これまで経産省・原子力規制委員会などが進めてきた施策を縷々述べているだけで。事故をなぜ起こしてしまったかの反省も、事故後10年を経て未だに「国民の信頼を損なう」状況に至っている原因追及もしていない。 更に、第5次エネルギー基本計画で目論んだ各施策についての総括がない。施策の反省も改善もなく、ただただ現在の状況を書いているだけである。いわば各施策に対するPDCA(Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階)が抜けている。 一般企業の企画だったら絶対不合格だ。 例えば、もんじゅ廃止措置や六ヶ所再処理大幅遅延など誰もが核燃料サイクル破綻が明らかなのに、未だに「再処理やプルサーマル等を推進する」と何も見直しをせず、行き場無く毒性の高い「核のゴミ」を増やし続けるとしている。 他にも、ABCには、多々指摘してきた様に、問題記述が満載だ。問題点や実現性を無視して、今までの慣性・惰性で書いてある。一部を紹介する。(ABCの問題記述例) 「世界で最も厳しい規制基準」の大嘘:立地指針無視、ストレステスト無し、コアキャッチャー不要、実効性無き避難計画で合格、地震列島で観測地震動よりも住宅よりも甘い基準地震動 「核燃料サイクル政策については、…中長期的な対応の柔軟性を持たせる」:要するに今まで同様にやることにしておいて何もしない。 「立地自治体等との信頼関係の構築」:美浜3号再稼動に25億円を福井にばらまいた様に、これからも補助金で地方自治を破壊するのか? 関電電子力マネー問題を忘れたか? 基本政策分科会の委員はこれらを本当に読んだのだろうか? こんな計画を容認して恥ずかしくないのだろうか?「原子力の社会的信頼の獲得」の為には、24人の委員だけで6次エネルギー基本計画を決定するのでなく、「国民」の意見を問い直しエネ計を策定し直すべきだ。 以上 |