経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その171 2021年4月29日
3.11事故が無かったかと錯覚させる愚かな「エネ計」基本政策分科会の委員たち
〜札束で引っ叩かれて若狭の老朽原発再稼働を容認した杉本福井県知事〜
 東電福島第一原発事故後10年を過ぎて、全国で「脱原発」を望む声が8割超である。
<福島第一事故から10年 「脱原発」望む声が8割超 地方紙アンケートに全国6200人回答>
(東京新聞、2021年3月22日: https://www.tokyo-np.co.jp/article/92948)

 ところが、「エネルギー基本計画」を策定する総合資源エネルギー調査会基本政策分科会は「国民」世論と余りに遊離している。4月28日に開催された第42回 基本政策分科会は、梶山経産相と杉本福井県知事(分科会委員)による若狭の老朽原発再稼働容認発言で始まり、うんざりするほどカーボンニュートラル実現の為には原発を残せの意見が続く。ひどい委員は第5次「エネルギー基本計画」の記載「原発依存度は可能な限り低減」を無くせとも言う。

 この原発翼賛分科会を演出しているのは経産省・資源エネルギー庁だ。
委員の選定がおかしいし、事務局資料がいつも作為的であり、委員以外の意見をまともに取り上げず、かつ分科会でも意見を闘わすこともなく各委員が数分間意見表明するだけ。「意見箱」で誤魔化して公聴会などで多くの「国民」の意見を聞くこともしない。

 それにしても、この分科会当日午前の「福井県知事 再稼働に同意」は、経産省・資源エネルギー庁が「札束と嘘と強権」で福井県を露骨に押さえつけた結果だ。3.11事故を経験しても経産省は全く変わっていない。
       
 福井県が老朽原発再稼働容認を躊躇する理由は沢山ある。関電原子力マネー汚職、稼働原発(高浜3・4、大飯3・4)でトラブル多発、より古い3基はもっと危険、美浜3号機では事故で死者を出している、核燃料県外搬出の約束破り、特定重大事故等対処施設(特重)工事遅れ、規制委が安全を保障していない、規制庁が関電を信用していない、……。
         
〇札束で「地元同意」
 ところが、露骨に動いたのが資源エネルギー庁。4月6日、福井県に対し、両原発に関する電源3法交付金として新たに最大計50億円を出す方針を伝えた。県議会も知事も急に慌ただしく「地元同意」に向かって動き出した。また、特定重大事故等対処施設が遅れている為に稼動してもすぐに止めないといけないのに資源エネルギー庁は「同意」を急がせた。

〇エネ計策定中なのに梶山経産相が原子力推進方針言明
 さらに、杉本知事の要望で梶山経産相とのオンライン会談を開催、梶山経産相が2030年度の発電電力量に占める原発の割合について「2割程度まで高めていくことは必要不可欠」と述べた。分科会でも同様の発言をしたが、これは非常におかしい。分科会で方針を検討中であるのに、経産相が率直な議論をと言ってきたのに、経産相が勝手に方向付けすることは許されない。このおかしさについて私が資源エネルギー庁担当に電話で指摘したら、担当は「確かに」と認めた。ところがどの委員もこの問題を何ら指摘しなかった。

 半世紀以上もの間、「お湯を沸かす為に核分裂反応を起こす愚かな装置」の為に、経産省が「札束と嘘と強権」を使ってきた。3.11後10年を過ぎて、経産省・資源エネルギー庁がまたまた露骨に「札束と嘘と強権」による原子力推進を始めた。
 何としても止めねば。
以上