経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その160 2021年2月7日 「原子力はクリーンなエネルギー」では絶対に無い! 〜地球温暖化対策・カーボンニュートラルを口実に原子力発電を残すな〜 |
「安全」「安い」「無いと電気足りない」「準国産」「安定」と大嘘をついてきた経産省・資源エネルギー庁が今でもついている大嘘が「原発はクリーン」。地球温暖化対策・カーボンニュートラルを口実に原発を残そうとしている。東京電力は「CO2の少ない電気」なるおかしな表現を使って柏崎刈羽再稼働を正当化しようとしている。 言うまでも無く、原発は核分裂によって新たに放射性物質を造りだし人類が制御できない「核のゴミ」を貯める。そればかりか、被曝労働を強い7℃も高い大量の温排水を海に流す。どこが「クリーン」か?! このことを故高木仁三郎さんが20年以上前に指摘している。 「原子力神話からの解放〜日本を滅ぼす九つの呪縛〜」(講談社α文庫)から<第8章「原子力はクリーンなエネルギー」という神話>を抜粋して紹介する。 < ○地球温暖化と原発 原発正当化のためにつくり上げられたさまざまな論理が崩れていくなかで、最後に浮上してきて残った切り札が「原子力はクリーンなエネルギー」。いわば地球温暖化防止のためのエースというかたちで、国家的な規模でキャンペーンが行なわれました。 ○原発の増設は二酸化炭素の排出を助長する 日本における一次エネルギー総供給量と二酸化炭素の排出量と原発の設備容量の推移を見ると、原発の設備容量が増えることによって二酸化炭素の排出量が減るような顕著な相関は、ほとんど見られません。多くの人は原発を増やすような政策が、全体としてはエネルギー消費、電力消費を増大する傾向を助長し、二酸化炭素の排出を増大する方向にいくと見ています。 ○電力化率の上昇がもたらすもの 原子力の比率を増やすと、どうしてもエネルギー消費に占める電力消費を増やさざるをえなくなるということです。 ○地球温暖化を促進する「クリーン神話」 原子力は原発自体で出力を調整することができません。エネルギー多消費開発型の社会を促進し、したがって地球温暖化も促進することになるでしょう。 ○放射能に目をつむる「クリーン神話」のおかしさ 私たちの未来の安全がどうであるかということになれば、火力発電所が出す廃棄物としての二酸化炭素と比べて、原子力発電所が出す廃棄物であるところの放射性物質はいったいどうなのかという問題が出てきます。1グラムの二酸化炭素を出すのと1ベクレルの放射能を出すのはどちらが問題なのかという議論も、きちっとやらなければならない。通産省や電力会社は二酸化炭素については規制しなくてはいけないと言いながら、放射能については全く何も言いません。 ○二酸化炭素と放射能の危険度を比較する 原発の場合には、私たちの計算では1キロワット時の発電をするのに約10万ベクレルの放射能が出てきます。非常にむずかしい評価ではありますが、私は1グラムの炭素よりは、1ベクレルの放射能のほうが危険度が高い、少なくとも同等以上であると考えています。 だいたい数十万ベクレルの放射能が一人の体内に取り込まれれば、一人の人間の死を招きかねない、確実に許容量以上の放射能になります。 ○しだいに高まる省エネ志向 多くの人が省エネルギーとして太陽光、風力発電等「再生可能エネルギー」こそクリーンなエネルギーとして望ましいと考えているわけです。 ○非現実的な原発増設計画の実態 政府のきわめて「意欲的な」原発推進政策が実際問題として破綻をきたしています。 ○電力の市場競争が「クリーン神話」にとどめを刺す 日本のエネルギー政策のもとになっている計画自身が机上の空論だとすれば、…まったく現実と離れたところに政府の計画がある。市場競争には当然の原理が働きますから、さらにマシなエネルギー源に傾いて行かざるをえないのです。…この「原子力はクリーン」神話も崩壊していくことがはっきりしたと思います。 > 高木さんの文を読んでいると、経産省が今も昔も変わらず「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つきであることが良く分かる。 まして、東電福島原発事故を経験しそれが全く終わっていないのに、20年前と比べて世界中で再生エネルギーが普及してきているのに、経産省・資源エネルギー庁が未だにこの「クリーン神話」を引き出して原発を残そうとしているのだ。 あきれ果てるが、このことを絶対に見過ごさず、訴え続け抗議し続けなければならない。 以上 |