経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その154 2020年11月13日
「容量市場」で再エネをつぶすな、原発を延命するな!
〜国民が知らぬ間に大規模設備を持った大手電力会社を儲けさせる愚策を中止せよ〜
 経産省が電力「容量市場」を推進しており、その入札で確定した約定価格(市場で売買が成立した価格)が政府が決めた上限価格になり、多くの問題点が明らかになった。この「容量市場」は、再生エネルギーつぶしのみならず、(老朽)原子力発電残しのとんでもない施策だ。何としても止めねばならない。
 以下に「容量市場」の問題点を紹介する。

○「容量市場」とは(朝日新聞掲載「キーワード」の解説から抜粋)
https://kotobank.jp/word/「容量市場」-2235970
<…。4年後に全国で必要な設備能力(容量)を、国の組織・電力広域的運営推進機関が決めて入札する。応札する様々な発電会社が発電所ごとに必要な費用を提示し、全体の落札価格と費用が決まる。国の組織はそのお金を発電会社へ分配し、発電所の維持・建設費に充てる。必要なお金の原資は小売会社が利用者の電気料金から集める。電力取引を…設備能力(kW)で値づけする。…。国民負担が増えるとともに、老朽石炭火力や再稼働した原発も一定の収入を得られ、「延命」につながる恐れがある。>

○容量市場1兆5987億円の衝撃、電気料金値上げ不可避か 2024年度分は上限価格の1万4137円/kW(日経エネルギーNEXT、中西清隆=フリージャーナリスト、9月23日)
https://project.nikkeibp.co.jp/energy/atcl/19/feature/00001/00033/
<7月に入札を実施した初めての容量市場の約定結果が公表された。1万4137円/kWという世界に例を見ない高値での約定。予想を超える負担を背負うことになった小売電気事業者は戸惑いを隠せない。いったい何が起きたのか。卸電力価格や電気料金はどうなるのか。今回の結果が電気事業にもたらす影響は甚大だ。>

○新電力34社、容量市場について経産大臣に要望書(環境ビジネスオンライン、10月27日)
 https://www.kankyo-business.jp/news/026410.php
<自然電力、みんな電力、Looopら電力会社34社は連名で、10月20日、梶山弘志経済産業大臣に対し「2020年度メインオークション結果に関する検討要請及び容量価値に関わる制度検討に関わる要望」を提出した。>

 「容量市場」の問題点がどんどん明らかになってきた。そのことを明日香壽川(東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授)が厳しく批判している。
○「容量市場は、再エネ潰しの最終秘密兵器だ:大手電力には棚ぼた利益、ツケは国民の電力料金に転嫁」 (論座、明日香壽川(東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授)  https://webronza.asahi.com/science/articles/2020100200001.html
<@1基で毎年60億円の棚ぼた利益
 容量市場によって、すでに投資回収している原発や石炭・石油火力発電などに、発電能力を維持するためだけに、経過措置などを考慮しても1基(100万kW想定)あたり毎年約60億円が実質的な補助金として供与される。
まさに棚ぼた利益であり、その原資は、消費者が払う電気代の値上げ分である。
A補助金支払いのために電気代上昇
B売電(小売り)業者間の不公平
C非合理的な電力需要想定
D資本主義のルール違反で、パリ協定とも矛盾
E国民の誰も知らない>
 
 電力もエネルギーも再生エネルギーと蓄電技術で可能な限り地産地消が望ましい。にも拘らず、経産省はまたまた全く説明がつかない施策で余計な口出しをして、原子力発電所や火力発電所の維持を図り、電力自由化に反して大手電力会社(発電会社+小売会社)を支援しているのだ。ましてや、稼働することがより危険な老朽原発の維持まで勧めているのだ。
 何としても亡国の省・経産省と資源エネルギー庁にこの愚かな「電力市場」施策を止めさせないといけない。

 なお、e-シフトの次の報道も分かり易い。ご覧いただきたい。
○老朽化した原発や石炭火力を温存する「容量市場」の見直しを―eシフト事務局吉田明子さん(「サステナブル・ブランド ジャパン」、020.11.04)
  https://www.sustainablebrands.jp/article/story/detail/1199000_1534.html
以上