経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その153 2020年10月31日
本末転倒「核燃料サイクルの推進には原子力発電の一定の利用が不可欠」
〜10年ぶりに開催した「核燃料サイクル協議会」で青森県を懐柔?〜
 10月21日に第12回「核燃料サイクル協議会」が首相官邸で開催された。十年ぶりで「青森県と関係閣僚が意見交換を行う場」が青森県側が求めて開催されたらしい。
https://www.meti.go.jp/press/2020/10/20201021001/20201021001.html
25分間の会合とは言え、出席者は次のとおり政府側は多くの大臣。
出席者:加藤 勝信 内閣官房長官、井上 信治 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)、
高橋 ひなこ 文部科学副大臣、梶山 弘志 経済産業大臣
三村 申吾 青森県知事
池辺 和弘 電気事業連合会会長、増田 尚宏 日本原燃社長、
保坂 伸 資源エネルギー庁長官(司会)  他

 まず、三村青森県知事が、「原子力・核燃料サイクル政策の推進」、「青森県を特定放射性廃棄物の最終処分地にしないこと」、「核燃料サイクル確立のため、人材育成・研究開発」を求めた。
 関係閣僚は、「原子力・核燃料サイクル政策の推進」、「青森県を特定放射性廃棄物の最終処分地にしない約束は引き続き遵守」、「核燃料サイクル関連を含め、原子力分野の研究開発や人材育成に着実に取り組んでいく」と回答。
 さらに電事連が、「業界一丸で日本原燃を全面的に支援すると共に、事業者間の連携・協力を含め、プルサーマルを推進する」、「処分地の選定・立地に向けて、対話活動等に取り組む」、「青森県に搬入されたガラス固化体の搬出期限を遵守する」などを回答。
 最後に加藤官房長官が「我が国の原子力政策にとって、核燃料サイクルの確立は重要。政府として、地元の声にも配慮しつつ、核燃料サイクル政策を進める。青森県を最終処分地にしない旨の約束は、現内閣においても継承。最終処分は必ず解決しなければならない課題。複数地域での文献調査に繋げ、最終処分の実現に向けて国が前面に立って取り組む。原子力政策について、安全確保を第一に、政府一丸となってぶれることなく進める。青森県の皆様には、引き続き、御理解と御協力をお願いしたい。」と締めくくり発言。

 既視感を持ちませんか? イチエフ事故前と同じ景色が再現されている。
 核のゴミを青森県に押しつけてきた自公政権が、六ヶ所再処理の「合格」を機に、引き続き嘘をつき続けて、引き続き青森県に「核のゴミ」を押しつけ続けるつもりなのだ。
 現在の稼働原発2基でプルサーマル発電は少し。原発の嘘(安全、安い、電気が足りない、クリーン、準国産)に「安定」の嘘も加わり、「核のゴミ」問題が国民にも意識できるようになった。今大切なのは過去のしがらみを捨てて勇気を持って「脱原発」の政策を決断するべきであるのに。
 青森県県知事の最初の発言「核燃料サイクルの推進には原子力発電の一定の利用が不可欠」は情けない。「核燃料サイクル」が原発を動かすための方便であるのに、逆に「核燃料サイクル」の推進の為に原発利用を求めるのは本末転倒だ。
 菅首相も26日の所信表明演説で「安全最優先で原子力政策をすすめる」と言明した。稼動原発が一基になるとは言え大金を地元にばら撒いて特重工事が進んでいる。第六次エネルギー基本計画の検討が開始された今、何としても脱原発を実現させねばならない。
以上