経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その151 2020年10月8日
日本のどの家庭にも汚染水の入ったバケツ3つと汚染土の入ったドラム缶が1本ある勘定
〜空気、水、土、野山、川、海、野菜、肉、魚の汚染は今でも確実に続いている〜
  佐藤暁さん(原子力情報コンサルタント)が岩波科学9月〜10月号「福島事故がもたらした厄介の諸々」で、日本列島に今なお続く放射能汚染の実態を明らかにし、<日本では、どの家庭にも、汚染水が入ったバケツが3つと、汚染土の入ったドラム缶が一本ある勘定になる>と結んでいる。

 その一部を水を媒体としたウォーターボーンを中心に紹介する。
○汚染食材の検出は今も続いている
 厚生労働省の「食品中の放射性物質検査結果」には、基準を超える検出が福島県産ばかりでなく、宮城県産、新潟県産、長野県産にも広がっている。
栃木県産イノシシ肉 600Bq/kg、福島県産イノシシ肉 最高5000Bq/kg、
群馬県産イノシシ肉 830Bq/kg、宮城県産コシアブラ 最高310Bq/kg、…
○今も東京に漂う福島事故の放射能
 「東京二十三区清掃一部事務組合」が2020年6月に掲載した分析結果によれば、清掃工場で次が検出されている。
墨田190Bq/kg、新江東183Bq/kg、足立132Bq/kg、葛飾215Bq/kg、
江戸川207Bq/kg(以上、飛灰処理汚泥)
○海水、海底土の汚染
 福島県の近傍・沿岸海域で、2020年2月から5月の採取された海底土の汚染が著しく高い。沖から10kmでさえCs-137:1400Bq/kg(Cs-134:79Bq/kg)、北の相馬港で300Bq/kg、南の小名浜港でも150Bq/kg。汚染した海底土が自然に入れ替わるとも浄化されるとも考え難い。トリチウム等放射能汚染水を「放出」し続けたらどうなることか?
○日本海に達した放射能汚染
 2019年9月8日に採取した新潟沖のサンプルからCs-137だけでなく原子炉由来のCs-134が測定されている。
○水産物の汚染 
 水産庁の発表、基準値超過が2015年3月までであったが、2019年1〜3月の検体2931体のうち1検体で検出。
○汚染水とALPS
2020年6月25日現在、1032基の巨大なタンクに121万4689?の汚染水。その内訳は、排水基準満足29%、排水基準の5倍まで汚染含32%、同10倍まで含19%、100倍まで含15%、さらに2万倍に近いもの6%。この6%のものでも数十基となり希釈すると必要水量は膨大。今も、毎日150±20?もの地下水流入。
○指定廃棄物と中間貯蔵施設
 8000Bq/kgを超える「指定廃棄物」が、最新の集計で福島県13市10町5村合計約18万2000トンに達し、周辺県では2016年集計で宮城県3400トン(40カ所)、茨城県3640トン(10カ所)、千葉県3690トン(18カ所)、群馬県1190トン(9カ所)、栃木県1万3530トン(160カ所)と多くの箇所に保管されている。これらを愚かにも希釈「ダウンブレンド」して焼却しようとしている。さらに、福島県の汚染土は県外の最終処分場に搬出するという!

 以上、残念ながら、また福島の人たちにはとても酷だが、まだまだ福島は終っていない。
半減期の短い放射性物質は放っておくだけで減衰する。佐藤さんは、<「半減期」は、放射能に対してと同様、私たちの心中に残る衝撃の大きさに対しても成り立つようだ。>と心配している。
 事故直後に作業員が途方もない汚染水に浸かって病院に搬送されたが、その汚染水は、法令上排水できるためには、たった1ccに対してでも、ドラム缶200本以上の水で希釈しなければならないそうだ。
 この様に日本列島と海を放射能汚染した国と東京電力が、タンクに保管されている汚染水を2次処理して希釈投棄することは許されない。全国で汚染が確実に続いているにも拘らず、これ以上、海を汚すことは絶対に許されない。
以上