経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その149 2020年9月3日
動かない原発に10兆円、私たちは何のサービスも受けないで料金を取られる!
〜原発はなぜ潰れないのか 原発を支えている沢山の仲間を持っているから〜
 経産省がなぜ愚かな原発推進政策を続けているのか? 「今だけ金だけ自分だけ」があまりに情けない。このことを痛感させる2つに記事を紹介する。

1 動かない原発に10兆円(東京新聞特報2020年9月2日朝)
https://tokuho.tokyo-np.co.jp/n/n7239284b5f7f
何のサービスも受けていないのに、料金を取られる。そんなばかげたことが、現実にある。東京電力福島第一原発事故後、発電をしない原発を維持するために10兆円余りが投じられていることを、NPO法人「原子力資料情報室」が明らかにした。その分は電気料金に転嫁されており、一方的に消費者にのしかかっている。このおかしなコスト負担、見直すべきではないのか。
 NPO調査 福島事故後の維持費
 電気料気に上乗せ消費者の負担に
 人件費なども含め原価に/「再生エネに転換を」>
 詳細は記事をご覧いただきたい。

2 原発はなぜ潰れないのか(日本エネルギー会議2020年5月27日)
http://www.enercon.jp/未分類/17319/
 推進側の北村俊郎さん(元原子力産業協会参事、元日本原子力発電理事)が書いた記事が非常に面白い。その一部を紹介する。是非本文をお読みいただきたい。


★ 結論から言えば、電力会社が原発を支えているたくさんの仲間を持っているから潰れないのだ。その仲間とは国策として原発を推進してきた中央・地方の政治家と経済産業省などの官僚、ビジネスとして参画してきた地元商工業者、原子炉メーカー、ゼネコン、工事会社、金融機関などである。もちろん原発のメリットを理解し支持する一般の方々も含まれる。さらに大手電力会社と売電契約を結んで電気料金を支払ってきた多くの消費者である。
★ 沸騰水型軽水炉はこの10年間止まったまま。仲間たちが支えることで生き延びている。一般の企業で10年間も何も生産しない工場を維持しながら存続出来る企業はないはず。潰れないのは本来なら出せない費用を誰かが出しているからだ。
★ 東京電力は国が特別に資金を貸して倒産させないでいる。おかげで日本原電や日本原燃が生き残れる。
★ 止まっている原発をそのうち稼動するから会計上、大きな資産と見なして計上している。
★ 何故、潰れそうな原発を支えているかと言えば、支えている仲間たちが原発に潰れてもらっては困るからだ。一種の粉飾であるが、経済誌などメディアも報道しないのは見て見ぬふりの仲間なのだろう。東芝の粉飾破綻や関西電力の会社ぐるみのガバナンス不全が思い出される。
★ このような状況はいつか破綻する。このままでは大手電力会社は動かない原発と心中することになる。どんなことがあろうと降伏は口に出せず国民を道連れに玉砕に向かった戦争末期の大本営と同じだ。

 元日本原電の理事の的をえた分かり易い説明は説得力がある。なお、「核のゴミ」も資産扱いされ、その後始末も製造者責任を持たせずに半世紀経過している。
 そう言えば、8月27日に連合神津会長が「原発ゼロ」の表現を使わないように野党に求めた。日本は労組まで腐っている!
 経産官僚よ、資源エネルギー庁官僚よ、もういい加減結論先延ばしを止めて玉砕を避け、まともな「第6次エネルギー基本計画」を建てよ。