経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その132 2020年1月22日
使用済みMOX燃料は百年も冷やし続けないといけない!?
〜核燃料サイクル破綻でもプルサーマル発電を続けさせる愚かな施策〜
 1月14日に四国電力が伊方原発3号機の使用済MOX燃料16体を取り出してプールに保管した。行き場の無い(通常運転の)使用済み核燃料が19000トンもあるのに、より発熱量が高く百年以上冷却し続けないといけない使用済みMOX燃料の蓄積を開始したのだ。見過ごしてはいけない。頻繁に起こるトラブルも使用済みMOXが災いしているのではないか。
 例えば、毎日新聞が非常に詳しく次のように報じている。
「行き場ないMOX燃料 愛媛・伊方原発で初取り出し 長期保管、危険性高く」
毎日新聞2020年1月15日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20200115/ddm/012/040/120000c
全文を読んでいただきたい。ここでは一部を紹介する。
○東電福島原発事故の時のように停電になると水温を維持できず、冷却できなくなる恐れがある。
○使用済みMOX燃料の発熱量は使用済み核燃料の約3〜5倍になる。
○どの原発でもプールは既に使用済み核燃料で満杯に近い状態。
○現在プルサーマル発電で稼働しているのは、伊方3号、高浜3・4号、玄海3号の計4基。
○使用済み核燃料や使用済みMXO燃料を核のごみとして直接処分することになれば、核燃料の再利用を前提とする原子力政策が揺らぐ。

 見過ごしてはいけないことは、使用済みMOX燃料の発熱量が高く、長期間冷却し続けないといけないことだ。次の2つも是非ご覧いただきたい。
○「使用済MOX燃料は自然冷却可能まで最低90年、キャスク貯蔵まで100年以上冷却が必要」
長沢啓行(大阪府立大学名誉教授)【行き場のない「使用済み燃料問題」から日本の原子力政策の破綻の現状を読み解く!】 福井市講演会 2019年3月16日
http://www2.interbroad.or.jp/shimada/denuclear/image19/Fukui190316nagasa.pdf#search='使用済みMOX燃料+冷却'
○「使用済ウラン燃料の15年後と同等の発熱量まで下がるには300年かかる」(エネ庁)
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会【政府交渉報告:乾式貯蔵後の行先は未定/使用済みMOXは熱が下がるまで300年】
https://saga-genkai.jimdo.com/2019/06/23/a/

 実際に使用済みMOX燃料を冷やすのにどれくらいかかるか正確には分からないが、今電力を得る為に百年間も使用済みMOX燃料を冷やし続けないといけないとは、何と馬鹿げた発電方法だ。プルサーマル発電が余りに高くつくこと、核燃料サイクルが事実上破綻していることとともに、この事実はどうしても見過ごしてはいけない。
 地球上の総ての生物に恥ずかしい!
以上