経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その127 2019年11月17日 東京電力福島第一原発の廃炉作業でトラブル多発 〜人手無し(オリンピックゆえ?)、余裕無し、管理無し! 再稼働どろこではない〜 |
11月16日にも東京新聞に「福島第一の排気筒部品落下、解体中断 再開時期は未定」が載った。8月に始まった排気筒解体作業がトラブル続きで大幅に遅れている。 このことは木野龍逸さんが「岩波科学10月号」で「驚かされる排気筒解体トラブルの原因―コストカットが原因か」で詳述し、「原発事故後、経産省の取り計らいで破綻は免れたが、巨額の賠償や事故収束作業コストのために、東電は大幅なコストカットを続けている。その結果、福島第一原発ではトラブルが続出しているのではないか」、「東電は2008年、福島第一原発の津波試算をした結果15.7mという数値が出たにもかかわらず、対策工事を見送った」ときと状況がよく似ている、と分析し心配している。 この深刻な状況が11月6日の原子力規制委員会定例会議でも明らかにされた。 議題3「東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業に係る規制事務所の気づき等について」の福島第一原子力規制事務所の報告で、私は悲壮感を抱いた所長の訴えに珍しく共感した。 https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000470.html 説明の標題に従って簡単に要約する。 1.検査官が見た現場の状況=「現場に目が行き届いておらずトラブルが多発」 「現場の状況の把握が不十分で、現場管理ができていない」、「機能発注」で現場に行き届かない管理の状態が隠れている、変更管理への対応が不十分、検査官が指摘しても対応遅れ、大雨への対策が遅い。 2.コミュニケーションを通して見た東電職員の状況=「余裕がない」 コスト削減の為の「カイゼン活動」が職員にプレッシャー、一旦立ち止まって立ち返る姿勢の余裕がない、放射線管理部門にリソースが足りない、経験がある協力会社・作業員が減っている、リソース足りず優先順位をしっかりとるべき。 3.指標データが示す状況=「放管トラブル、不適合管理、業務管理が課題」 放射線管理のトラブル多発(ヒューマンファクターに起因するトラブルが今年になって増えている)、不適合管理への対応が遅れている、内製化(東電社員が担当)による品質悪化、カイゼンがあるために作業が進まないことも。 4.組織改編の実効性確保に向けて=「リソース確保と適正配分」 東電HD内でリソースをきちんと確保し適正に配分してほしい、協力会社と一体化したプロジェクトに、東電も自覚している品質の低下(3号機の燃料取り出しの事例)、コンティンジェンシー、不測の事態を予測して余裕を持つということ。 少々細かいが、要するに経験ある人手が不足しているのにコストカットを強要しており、廃炉作業の管理が組織としてまともに出来ていないのだ。 排気筒はじめ多くのトラブルと遅れの状況とその原因が良く分かる。 国も東電も総力をあげて取り組むべき廃炉作業がこれほどひどい状態であることに驚いた。私は5年程前に「廃炉・汚染水対策福島評議会」で赤羽経産副大臣(現国交相)が「国が全面に出て廃炉をやりとげる」と大見得を切るのを目の前で見た。ところが、安倍首相のアンダーコントロールの嘘に始まるオリンピック招致などが、イチエフをひどい状態にしているのだ。 地球上の総ての生き物に対してとんでもない事故を起こしてしまったことを自覚し、立ち止まって、廃炉・汚染水対策を建て直さないといけない。 経産省も東電も、柏崎刈羽や東海第二の再稼働どころでは無いぞ! 以上 |