経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その114 2019年4月25日
国連に「原発推進」戦略案提出を許すな!
〜地球温暖化対策を口実とする原子力発電生き残り策は大間違い〜
 4月20日の朝日新聞の報道に驚いた。日本に住む人間として腹立たしい・恥ずかしい!
「政府、国連に「原発推進」の戦略案提出へ 温暖化対策で」
(朝日新聞DIGITAL、2019年4月20日05時00分)
https://digital.asahi.com/articles/ASM4M56Q5M4MULFA01C.html?rm=664

<地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」に基づき、政府が国連に提出する長期戦略案が19日わかった。焦点の一つである原発は「実用段階にある脱炭素化の選択肢」とし、安全性・経済性・機動性に優れた炉を追求するとの目標を掲げた。政府の有識者懇談会の提言より、原発推進に前のめりな姿勢を鮮明にした。
 23日に公表し、国民から意見を募った上で6月に大阪である主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)までの正式決定をめざす。……>
 口実に使われているパリ協定「温室効果ガス削減に関する国際的取り決め」に対して「CO2による地球温暖化説が間違いである」との指摘があるが、ここではそこには立ち入らない。増え続ける人類が多くのエネルギーを使って地球を汚し続け他生物に迷惑をかけている現実を考えれば、エネルギー消費を減らし地球の汚染を抑えることは必要だろう。
それでも、原子力発電は、決してクリーンでもゼロエミッションでもない。膨大な死の灰を生み続ける。未だに保管・管理の仕方も場所も決まっていない「核のゴミ」を生産し続ける。放射能で大地も海も山も川も汚し続ける。多くの労働者を被曝される。ひとたび事故が起これば周辺住民のふるさとも生活も仕事も奪う。福島は全く終わっていない。
また、「原子力発電は発電時に二酸化炭素を出さない」としても、原発を運転するために必要な作業(ウラン採掘―製錬ー濃縮・加工ー発電ー再処理ー廃物処分)により大量の二酸化炭素を放出する。
広島・長崎・福島を経験している日本が原発推進する長期戦略案を国連に提出するなんてあまりに恥ずかしい。半世紀前のアイゼンハワー大統領演説「Atoms For Peace」に従順に応じて原子力発電を導入した過ちを再び繰り返すのか?
なお、有識者懇談会の提言とりまとめ(4月2日)の一部を紹介する。
<今後のエネルギー政策に関しては、第5次エネルギー基本計画でも掲げる通り、まず「3E+S」(安定供給、経済効率性、環境への適合、安全性)のバランスの重要性をあげた。電力分野では、2050年に向けて再生可能エネルギーの主力電源化など、エネルギー転換・脱炭素化を進め、原子力については、可能な限り依存度を低減しつつも、バックエンド対策、立地対策や規制対応、技術開発を含め、安全性確保を大前提とした活用を議論すべき>
としている。(日本原子力産業協会:https://www.jaif.or.jp/190403-2)
またしても、第5次「エネルギー基本計画」が、「3E+S」が、長期戦略の口実になっている。何としても経産省・安倍政権の愚かで強引な施策を止めねばならない。
東京新聞2019年4月24日朝刊より