経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その11   2016年12月6日

電原発電力を新電力と消費者に押し付ける複雑怪奇な仕組み
〜「ベースロード電源市場」何ていらない〜
 12月5日午前、経産省地下2階の講堂に入って「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」市場整備ワーキンググループの第5回会合を傍聴した。経産省が提案した複雑怪奇な仕組みの方向付けを確認、9日に開催予定の「…政策小委員会」に付される。
 エネ庁提案の複雑怪奇な仕組みは次のよう。
○ベースロード電源市場を創設して、旧一般電気事業者(大手電力会社)から新規参入者(新電力)にベースロード電源を拠出する。
 なお、ベースロード電源とは、地熱、一般水力(流れ込み式)、原子力、石炭(2014年「エネルギー基本計画」)
○新電力が供給する電力の中でベースロード電源の比率を約3割と想定
○導入時期は2020年度
 
 委員からは、電気料金が上がって日本企業の競争力低下が心配(旭硝子会長)、ベースロード電源の調達は個々の電源で区別したい(新電力)など、まともな意見も出たが、ほとんどの委員・オブザーバーが2020年実現と先の話ならと消極的にこの方向付けを認めた。

この決定は全くおかしい。
1 「エネルギー基本計画」を見直すべき
 原発は安いは嘘だった(この日の配布資料でも1kWhあたりの発電コスト「原子力:10.1円〜」とあるが、これが大嘘で、今やプラス5円以上)
 原発は安全ではない、無くても電気は足りてる、使用済み核燃料問題先送り、などなど、2014年閣議決定の「エネルギー基本計画」は「国民」の意向に反している
2 電力自由化に反する
 消費者がせっかく原発を使わない新電力を選んでも原発の電気を使わせる。何の為の電力自由化だったのか?
3 原発と大手電力会社の保護策
 財務会計WGとの関係、「貫徹」小委員会の目論みと繋げれば明らかなように、この仕組みは原発とそれを供給している大手電力会社の保護策である
4 複雑怪奇
 この仕組みをどれだけの人が理解しているだろう。委員やオブザーバの発言にも確信の無さがはっきりと出ている。シンプルイズベストに反するばかりでなく、経産省や電力会社の悪だくみしを助長する。

東電と原発を救済するための「電力システム改革」を「貫徹」させてはならない。
以上