経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その105  2019年1月25日
経産省は東京電力の原発ADR仲裁和解案拒否を容認するな!
〜議決権ベースで東電株の50.11%を有する筆頭株主「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が東電に和解案を受け入れさせよ〜
 東京電力が原発事故の損害賠償を巡り原子力損害賠償紛争解決センター(以下、ADRセンター)の和解案拒否が続いている。昨年から多くのメディアが報道しており、例えば今年に入って朝日新聞が1月15日に
<原発和解、打ち切り相次ぐ 東電の拒否続く ADRの賠償案>
<東電6回拒否「被害者置き去りだ」原発ADRへ和解申し立てた浪江町民>と報道した。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13849196.html?rm=150

 実際に、文科省の「原子力損害賠償紛争解決センター」によれば、「和解成立に至らなかった事例」は8件あり、浪江町(申立人15000名)、飯館村蕨平(同100名)、飯館村前田・八和木(同38名)、飯館村比曽(同200名)、飯館村(同3000名)、伊達郡川俣町小網木(同566名)、福島市渡利・小倉寺・南向台の自主避難等対象区域(同3139名)、南相馬市原町区(同2名)と、多くの地域の多くの犠牲者が賠償されず、ADRセンターが手続きを打切り始めている。
(http://www.mext.go.jp/a_menu/genshi_baisho/jiko_baisho/detail/1329134.htm)
 裁判になれば救済に時間も費用も労力もかかる。迅速な賠償のために国によって設けられたADRが機能せず、被害者が新たに裁判闘争を強いられるのはおかしい。 
 それにしても、世紀の大事故を起こしながら「放射性物質は無主物であり東電が除染する責任はない」などとほざいた東電トップ。彼らが刑事告訴されており、廃炉への道も先が全く見えず、汚染水対策も嘘ばかり、未だに福島は終っていないにも拘らず、柏崎刈羽原発の再稼動を目論み、更に日本原電に資金支援して東海第二の運転延長まで進める東電をなぜ政府は止めないのか。
 議決権ベースで東電の株の50.11%を有する筆頭株主は国「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」であり、もちろん同機構には経産省キャリアが理事になって入っており、東京電力は同機構を介して半国有化され日本国政府の管理下にある。それゆえ、東電が被害者を切り捨てるということは、国が被害者を切り捨てることに他ならない。
 例えば「廃炉・汚染水対策福島評議会」では公明党の経産副大臣が福島の人たちに向かって「国が乗り出してしっかり対策する」と何度も話していたではないか。一方で、今年に入ってフランス政府が国営企業ルノーのトップ交代を進言しているではないか。
 経産省は、東電と一緒になって被害者切り捨てと原発推進することを直ちに止めるべきだ。
以上