経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その102   2018年12月31日
多核種で汚染されたトリチウム処理水の海洋投棄を放棄できない経産省
〜公聴会結果を反映せず「小委員会」の作為的議題設定で結果的に問題先送り〜
 年末最終日(12月28日)午前に「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」が開催されたので、傍聴し終了後に資源エネルギー庁担当に質疑した。
 夏の公聴会でトリチウム処理水に他核種でも大幅基準越えの存在が発覚したばかりか、トリチウムの危険性が指摘され、小委員会のみならずその前のタスクフォースに遡って議論するべき、と指摘されたイチエフ汚染水対策。
 その後10月1日(第10回)と11月30日(第11回)に続いてこの日に第12回小委員会が開催された。が、議題から問題含みだ。
<3. 議題
(1) 第11回議事録(案)の確認
(2) 環境放出する際の放射性物質の管理(モニタリング等)の考え方について
(3) 社会的影響の抑制対策について
(4) その他>
 いきなり、「環境放出の管理(モニタリング)」と「社会的影響の抑制対策」が出て来て、あたかも希釈海洋放出が前提であるかと思わせた。
 当然、委員から、議題タイトルが不適切、処分に対する不安を払拭できない、事務局のスタンスが違うのではないか、などと指摘された。また、関谷直也委員が「汚染水問題の認知」アンケート調査結果から、汚染水対策を検討している状況などが認識されていない中で、汚染水を地中や海や大気に放出することについては、賛成が15%程、反対が40%〜50%、わからないが40%前後であることを示した。それゆえ、海洋放出処分ありきと思わせる事務局のテーマ設定が批判されたのだ。
 夏の公聴会で出直しを迫られ、第10回で東電汚染水報告の確認、第11回でトリチウムの生体影響などを議論してはいるが、専門委員や事務局の一方的情報提供で終り、公聴会で指摘された的確な科学的意見に対してきっちりと反論できていない。問題を先送りしているのだ。
 一方で、公聴会で強く提案された汚染水の貯蔵継続の議論を全くしないのだ。会議の設定が全くおかしい。一方で経産省も原子力規制委員会も大好きな「風評被害」が、実は「国民」の国や県への不信感が原因であることを経産省は分かっているはずなのに、その問題を隠して希釈海洋放出に持っていこうとしている。
 イチエフからのトリチウム汚染水も六ヶ所再処理工場からのトリチウム汚染水も海洋放出を認めてはいけない。