経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その10   2016年12月5日

「核のゴミ」が資産?
〜18000トンの使用済み高レベル放射性廃棄物は資産でなく巨大負債だ〜
 11月25日の院内ヒアリング集会「使用済み核燃料と原発コストを問う」で、資源エネルギー庁の担当が次のことを認めた。
○使用済み核燃料は高レベル放射性物質である
○電力会社ではこれを「資産」として扱っている

皆さんは知っていましたか?
2014年4月に日本原燃の川井吉彦社長は、「国内に存在する約1万7千トンの使用済み核燃料を原発の燃料として再利用した場合、原油換算で約15兆円の資産価値がある」と言っている。
 確かに電力会社は、海外から高価で買い付け加工処理した核燃料を数回発電に使った後に「核のゴミ」になるとは認めなくないだろう。しかしながら、これが現実だ。「トイレなきマンション」の「うんち」は本物のうんちと違って肥料にはならない。使用済み核燃料は10万年も保管・管理が必要なとんでもない高レベル放射性廃棄物であり「核のゴミ」だ。誰かが秘密裡に買うと言ってきても、核不拡散を考えれば絶対に許されない。
 それゆえ、<電力会社は、使用済み核燃料は「再処理する」ということになっているので、バランスシート上では「資産」になっている。ところが.原発ゼロとなった瞬間、帳簿上、資産ではなく「ゴミ」になるので、債務超過に陥る。>(池上彰)
 だからこそ、経産省が、「もんじゅ」をあきらめても、官民合同の「高速炉開発会議」を立ち上げて核燃料サイクルを維持しようとしているのだ。
 原発は安全、原発は安い、原発無いと電力足りない、原発はクリーン(ゼロエミッション)、原料は「準国産」、などなどの大嘘をついてきた経産省。「原発は安い」の嘘には「核のゴミ」を「資産」扱いにするウルトラCの大嘘もあったのだ。

 この数か月間拙速に検討されている「電力システム改革貫徹」(これも変な命名だ)では、イチエフ事故ゆえに増大した賠償金が足りなくなって「過去分」と命名し、発送電分離の目的に反して託送料金にかぶせようとする(その9)など、めちゃめちゃな「大嘘の上塗り」が今行われようとしている。
何としても止めないといけない。
以上