経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その6 2016年11月8日 電力システム改革のもとで進められる原発費用の国民への転嫁 〜大島堅一さんが東電救済策と原子力事業者保護策を批判〜 |
大島堅一さんの「電力システム改革のもとで進められる原発費用の国民への転嫁」(岩波書店「科学11月号」)を紹介する。 ○原子力延命策の完成に向けた検討の場 電力システム改革の為に開かれている委員会等とその主要論点とその狙い(=>)をまとめると次のようになる。 1 東京電力改革・1F問題委員会(東電委員会): 事故炉廃炉費用=>東電救済 損害賠償費用=>東電を含む原子力事業保護 2電力システム改革貫徹のための政策小委員会(貫徹小委) =>東電を含む原子力事業保護 2−1 財務会計ワーキンググループ(財務WG):通常炉の廃炉費用 2−2 市場整備ワーキンググループ(市場整備WG):原子力のための市場創設 (「ベースロード電源市場」「非化石価値取引市場」の創設) 3 【原子力委員会】原子力損害賠償制度専門部会:有償責任化 =>東電を含む原子力事業保護 ○財務WGのフレーミングそのものが誤っている。原子力発電には廃炉費用が発生するし、その費用は発電事業で利益を得る事業者が自ら回収すべきだから。そもそも、2015年に発表された政府の発電コスト検証WG報告書においても、廃炉費用を含めてもなお「発電コスト」は他の電源に比しても安価であるとされている。それが正しいなら発電事業を行う事業者が自らの努力で費用回収すべきであるのは当然。逆に、現実に回収できないのであれば、それは原子力の経済的評価が誤っていたということになる。「エネルギー基本計画」そのものを見直さなければならなくなる。 ○全体として何が問題か 第1:託送料金とは送電事業の料金であって、特定事業者の発電にかかわる費用を付け替えて回収するための仕組みではない。 第2:東電が自ら負担すべきところを国民負担とすれば、原子力事業者は事故の費用をほとんど負担しなくてよいということになる。市場に対して誤ったシグナルを与える。 第3:東電問題への対策としては、法的処理に比べて国民負担が増える。 第4:託送料金の仕組みを使って費用を回収するような仕組みをとれば、透明性が確保できず、諸費用が傍聴する可能性がある。 ○拙速に原子力延命策を完成させてよいのか 問題は、このような重大な政策決定が、極めて短時間のうちに国民に知られることなく行われようとしていることである。 経産省前テントひろばも経産省・エネ庁の横暴・原子力延命策を許さないぞ。 以上 |