原子力ロビーによる放射線被曝の押付けを拒否しよう! その13 2019年4月12日 文科省は「放射線副読本」で「国民」に被曝を強要するな 〜院内交渉で明らかになった文科省(安倍政権)の被曝影響隠し〜 |
去る3月22日に<「放射線副読本」撤回署名に基づく第1回文科省交渉>を、福島みずほ議員の紹介で地球救出アクションほかが開催した。私も参加して、全国の小中高生に1450万部も配布された「放射線副読本」が安倍政権による「被曝強要キャンペーン」本であることを再確認させられた。その一端を記録する。なお、「放射線副読本」は2011年11月に初版、2014年2月に改訂版、2018年10月に現改訂版が発行された。http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/detail/1311072.htm ◇「はじめに」で分かる被曝影響隠し 表紙裏の「はじめに」に副読本の狙いが明確に現われている。簡潔に要約する。 ・「放射線は、私たちの身の回りに日常的に存在しており、放射線を受ける量をゼロにすることはできません。…私たち一人一人が今後の放射線との向き合い方を考えていくことが大切です。」 【放射線が日常的に存在する原因が、広島・長崎・核実験・福島などの人間の愚かな行為であることを隠している】 ・「平成23年3月11日に福島第一原子力発電所で事故が起こり、この事故により放出された放射性物質は、日本に大きな被害を与えました。放射性物質が多量に降った地域では、多くの住民が自宅からの避難を強いられました。」 【被曝によりどれだけの人が被害を受けたかどれだけの生き物が被害を受けたかでなく、原発事故被害を「避難」に絞っている】 ・「それにも関わらず、…復興に向けた取組は着実に進展していますが、私たちみんなで二度とこのようないじめが起こらないようにしていくことが大切です。」 【「いじめ」もいけないが、二度と起こらないようにしないといけないのは根本原因である「原子力発電所事故」である。真実を正しく知らせることが何よりも大切だ。】 ◇章の順序を入れ替えて東電福島原発事故影響隠し 今回の改訂で、「第1章 放射線、放射性物質、放射能とは」、「第2章 原子力発電所の事故と復興のあゆみ」と順序を入れ替えた。その理由が、東京新聞が本年3月22日報道したように、福井県選出滝波宏文議員の経産委員会(2017年5月9日)質問であることを文科省が認めた。 ここでも、東電福島原発事故の影響隠しが行なわれた。 ◇公衆被曝限度1mSV(ICRP勧告、日本は受諾)隠し 「100 ミリシーベルト以上の放射線を人体が受けた場合には、がんになるリスクが上昇するということが科学的に明らかになっています。」と書いて、100mSv未満なら安全と言わんばかり。日本の「公衆被曝線量限度1ミリシーベルト」(ICRP勧告から)と多く被曝被害報告を隠している。 私たちは、「放射線副読本」(文科省)、「放射線のホント」(復興庁)、「放射線リスクに関する基礎的情報」(復興庁)などによる「被曝強要キャンペーン」と闘わねばならない。 以上 |