このページについて

このウェブサイトは、ジャーナリスト/フリーライターの粥川準二(かゆかわじゅんじ)のウェブサイトであり、本人が監修・管理を行なっている。

僕は日頃、何かについて取材し、雑誌などに記事を書いたとき、与えられたページ数が少なすぎて、「書ききれないな」と思うことが多い。僕はもともと慎重なところがあるのか、できる限りの取材をして、多すぎるほどの材料を得てから執筆するように心がけているのだが、どうもそれが裏目に出てしまっているようだ。何せ、かなりの時間と労力をかけて取材したテーマを「2ページでまとめてください」なんて編集者から言われてしまうことも少なくない。それだったら、取材なんかせずに新聞記事をそのまま書き写してしまって自分で得た情報であるかのように書いてもいいのだが(実際、そんないいかげんな雑誌記事も多い)、それもできず、ついつい時間の許す限りの取材をしてしまう。その結果、集めた材料の10分の1も生かせず、執筆を終えてからも欲求不満を感じることが多い。

また、ときには記事を書く予定がない段階で取材を行なうこともあるのだが、どこにも書かないのはもったいないと感じることも多い。具体的にいえば、集会やシンポジウム、学習会などに参加したとき、政府の各種委員会や裁判、学会などを傍聴したときなどである。

さらにいえば、日頃、雑誌や新聞の記事を読んで何か感想を抱いたとき、紹介したい本やCD、映画を見つけたとき、それについて書くことをがまんするのは精神衛生上悪い。

そんなことを考えていたとき、仕事仲間で同業者の石井政之氏がウェブサイトを開いた。目玉は『週刊石猿』という日記形式のコラム(週一回更新)である。僕はこれを読み、このスタイルなら取材の備忘録にも、読書日記にも、何にでもなるなと考えた。それで僕も試験的に、まったく同じ形式の週刊コラム『週刊鉄亀(仮題)』を2000年春から書き始め、まずは友人・知人にメールで配信し始めた。書いているうちに、日頃ふと感じたこと、思いついたこと、体験したことなど、書き留めておかなければ忘れてしまうようなことをちゃんと記録しておくことができるという利点に気づいた。

そうこうするうちに、『隔離という病い』(講談社選書メチエ)などの著作で知られるジャーナリスト/評論家の武田徹氏が、彼の公式ウェブサイトの中で「オンラインジャーナリズム掲示板」という掲示板をスタートさせていたことに気づいた。そこでは武田氏がほぼ毎日のようにコラム風の文章を更新していた。単なる日記ではない、重厚な内容を含むコラムであり、大いに刺激された。

そんなわけで僕自身もウェブサイトを開く決心を固めた。『みずもり亭日誌』が『週刊鉄亀(仮題)』を引き継ぐ。活動記録、読書録、コラムなど、僕が日々行なったこと、感じたことなどを思いのままに書く。(原則として毎日更新。)知人などのプライバシーや、進行中の企画など仕事上での秘密事項には充分に配慮して書き進めるつもり。『みずもり亭日誌』で書いたことのなかで、追加したいこと、書き加えたいことが出てきた場合には、コラムのかたちに編集し直し、タイトルを付けたうえで Rolling Column に収録する。

内容は、日ごろ僕が取材・執筆対象にしているバイオテクノロジーなどの科学技術や医療などにとどめず、音楽、文学、思想、ジャーナリズムなど、僕が関心あることなら何でも書いていくつもりである。ときにはマニアックすぎて読んでも意味がわからないこともあるかもしれないが、そこは著者の「備忘録」的な目的で書いたものということで、ご寛容いただきたい。インターネットが新しいジャーナリズムの誕生を促すかどうかはわからないが、新しい表現形態、情報提供形態として、やれそうなことをやってみたいと思っている。

                                     2001年4月
                                     粥川準二
 
 

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