人権と報道・連絡会の第204回定例会が5月16日夜、同志社大学東京オフィス(大手町)で開かれ、約50人が参加した。テーマは「警察裏金と内部告発」。群馬県警の裏金問題を内部告発し、その報復を受けてでっち上げ逮捕された元警部補・大河原宗平さんから、裏金の実態、それを告発した経緯、報復の懲戒処分やでっち上げ逮捕、それに対して今年3月に起こした国家賠償訴訟の概要などについて報告を受けた。
でっち上げ逮捕の際には、新聞など主要なメディアが警察発表を鵜呑みにした報道で大河原さんの名誉を毀損する一方、肝心の裏金問題を報道せず、「権力の広報機関」化を露呈した。大河原さんは、裏金問題以外に交通取り締まりの実態や犯罪統計のからくりなども指摘、「明るい警察の実現」に向けた改革の必要性を熱っぽく訴えた。
次回定例会は、6月13日(月)午後6時から、大手町の日本ビルヂング5階566区「同志社大学東京オフィス」(地下鉄東西線大手町・地下道でB8出口またはJR東京駅八重洲口から地下道で同じB8出口、日本ビル地下商店街エレベーターで5階へ)。テーマは「宇都宮『知的障害』者冤罪事件と報道」。
◇…今年2月、宇都宮地裁で公判中の強盗事件で真犯人が見つかったため被告人男性に懲役7年を求刑していた検察が論告をやり直し、「無罪判決」を求めるという冤罪事件が明るみに出ました。濡れ衣を着せられた男性は重度の「知的障害」者。警察は昨年8月、軽微な暴行容疑で男性を逮捕、勾留中に「強盗事件2件を自供」と起訴しました。
しかし、男性は昨年12月の判決言い渡し直前に容疑を否認し、公判は延期。そんな中で1月に別の強盗事件で逮捕された男性が2件の強盗を自供し、冤罪が明白になりました。
例会では、この冤罪事件を2月18日朝刊1面トップで「県警、強盗で誤認逮捕」とスクープ、その後も「知的障害」者に「未解決事件」を押しつける捜査の実態など、調査報道を続けている下野新聞の担当記者から、事件と捜査の概要、報道内容について報告していただく予定です。