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2011年08月06日
第266回 山陽道バス横転事故、精神疾患患者につき実名報道の被害
人権と報道・連絡会の第266回定例会が7月25日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約30人が参加した。テーマは「山陽道バス横転事故と実名報道被害」。今年2月、広島県内の山陽自動車道で高速バスが横転、12人(乗客10人、乗務員2人)が軽傷を負う事故があった。
乗客の鹿児島大学生Aさんが精神疾患による不安感から「バスを降ろして」と頼んだが聞き入れてくれず、バスのハンドルを握って事故になったもの。警察はAさんを「殺人未遂」の現行犯で逮捕。新聞・テレビは彼の実名を出し、「就職活動に悩み、乗客を巻き添えにして死のうとした」などと警察情報を鵜呑みにしたストーリーを大きく報道した。Aさんは鑑定の結果「心神喪失」で不起訴になったが、「殺人未遂容疑」での逮捕と報道は、鑑定・治療にも重大な悪影響を及ぼし、結果として精神疾患患者について実名報道したのと同じ報道被害になった。
例会では、Aさんの父親と弁護士が、事件の経過、報道の問題点などを報告、「精神疾患患者の事件と報道」について参加者の間で議論した。
自民党政権時代にできた「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(略称:医療観察法)に、厳罰主義の影が濃く、運用にもいろいろな問題があることが明らかとなった。
投稿者 jimporen : 2011年08月06日 00:08