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2009年06月21日

第245回 富山冤罪事件の国賠訴訟/浅野健一さんの対文春訴訟勝利

 人権と報道・連絡会の第245回定例会が6月15日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約40人が参加した。テーマは「富山冤罪事件国賠提訴」と「浅野健一さんの週刊文春訴訟・二審勝訴判決」。
 2007年1月に発覚した「富山(氷見)冤罪事件」の被害者・柳原浩さんが5月14日、警察(県)・検察(国)、でっち上げの「実行犯」(警察官・検察官)を被告とし、約1億円の損害賠償を求める国家賠償訴訟を富山地裁に起こした。この訴訟は、再審裁判で裁判所が回避した「冤罪の真相究明」を法廷の場で実現し、「なぜ私のところに警察が来たのか」を明らかにさせて、二度と冤罪が繰り返されないようにとの柳原さんの思いから提起された。
 例会では、「富山冤罪国賠を支える会」の福冨弘美さんから提訴の経過・目標などについて報告していただいた。

 また、「週刊文春セクハラ報道訴訟」では5月15日、大阪高裁がセクハラを完全否定する原告全面勝訴の判決を言い渡したが、この裁判の経過、二審判決の意義について、浅野さん本人から報告を受けた。
 『週刊文春』2005年11月24日号が《「人権擁護派」浅野健一同志社大教授 「学内セクハラ」を被害者が告発!》との見出しで、《浅野教授の学内セクハラを、大学当局が認定した》と断定する記事を掲載したのに対し、浅野さんが週刊文春編集者らに損害賠償などを求めた名誉毀損訴訟で、大阪高裁(松本哲泓裁判長)は5月15日、一審・京都地裁判決を変更し、被告・文春に一審認定の2倍に当たる550万円の支払いを命じる判決を言い渡した。高裁判決は、文春が大々的に書きたてた「セクハラ」をすべて完全に否定したもので、2006年1月の提訴以来3年4か月、文春の人権侵害報道を告発してきた浅野さんの闘いは、全面勝利が確定的になった。例会で浅野さんは「自分が報道被害の報告をするとは思いもしなかった」として報告した。

投稿者 jimporen : 2009年06月21日 21:25