« 第178回 教育現場の冤罪と報道被害 | メイン | 第179回 日朝国交正常化交渉と拉致報道 »

2002年11月02日

第18回シンポジウム メディア法規制――報道被害者の声を聞く

 〈メディア法規制――報道被害者の声を聞く〉をテーマに、人権と報道・連絡会主催の第18回人権と報道を考えるシンポジウムが11月2日、中央大学駿河台記念館で開かれ、約120人が参加した。シンポでは「桶川事件」報道被害者・猪野憲一さん、「松本サリン事件」報道被害者・河野義行さん、「ロス疑惑」報道被害者・三浦和義さんの3人から、報道被害の実態、加害メディアとの闘い、報道被害者の立場から見たメディア法規制などについて、率直に話していただいた。
 メディア法規制をめぐる議論は、これまでメディア側の「報道の自由」論が中心で、報道被害者の声はほとんど無視されてきた。この日の討論では「わずかでも良心的ジャーナリストがいる限り、法規制は避けるべき」「法規制では報道被害はなくならない」「心情的には反対だが、メディアの現状では法規制もやむを得ない」――などと報道被害者の間でも微妙に意見が分かれた。これを受けた会場討論では法規制には反対の声が多かったが、それ以上にメディアが報道被害の深刻さを自覚し、報道被害防止・名誉回復のシステムを確立すべきだとの意見が強く出された。

【参考情報】 このシンポジウムを報道した、ジャパン・タイムズ=共同通信の記事
"Victims of over-zealous media weigh new human rights bills" (06 Nov. 2002)

投稿者 jimporen : 2002年11月02日 00:00