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2001年06月10日
第17回シンポジウム 事件被害者の人権と報道
「事件被害者の人権と報道」をテーマに、人権と報道・連絡会主催の「第17回人権と報道を考えるシンポジウム」が10月27日、中央大学駿河台記念館で開かれ、約120人が参加した。事件が起きたとき、メディアは当然のように被害者の名前や写真を掲載し、被害者や遺族のもとに取材陣が殺到して、無神経な取材で追い討ちをかける。その一方で、「加害者の人権ばかり守られて、被害者の人権がないがしろにされている」との主張があり、少年の被疑者を実名報道するメディアがある。こんな現状を踏まえ、シンポジウムでは「事件被害者の報道はどうあるべきか」「被疑者・加害者と被害者の人権は対立するものなのか」などの論点を中心に、3人のパネリストが体験をもとに問題提起、会場の参加者とともに話し合った。被害者の苦しみが癒され、加害者は罪を悔いて謝罪し、やがて双方が「和解」に至るような温かい社会。市民一人一人が、犯罪を自分たちの社会が生み出した不幸な出来事ととらえ、被害者・遺族を支え、加害者の更生に力を貸していく。そんな社会を築くために、メディアには「報復感情」を煽るのではなく、事件の背景を考え、人々の心を結びつける役割を果してほしい・・そう強く思わされる討論だった。
投稿者 jimporen : 2001年06月10日 00:00