人権と報道・連絡会(山際永三事務局長)の第325回定例会が2月14日、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約30人が参加した。テーマは「松山の大学生誤認逮捕と実名報道」。
昨年1月、松山市でタクシー運転手の現金入りバッグが盗まれる事件があり、愛媛県警松山東署は半年後、近くに住む大学生の女性を窃盗容疑で逮捕、地元の愛媛新聞は女性を実名で報道した。だが、女性は逮捕2日後に釈放、誤認逮捕だったことが明らかになった。これを受けて愛媛新聞は、逮捕記事の取り消しを表明。県内の図書館と国会図書館に、逮捕記事の閲覧制限を要請、図書館側は、記事を紙片で覆うなどの措置を取った。定例会では、当会代表世話人の浅野健一が現地取材の結果を報告、警察の裏金問題を内部告発してきた元愛媛県警警察官の仙波敏郎氏と、人権と報道を巡る裁判も数多く手掛ける山下幸夫弁護士を交え、捜査や報道の在り方などを討論。パネリストらは「記事抹消で、誤報の歴史をなかったことにしてはいけない」と訴えた。