第324回定例会(2019.10) 京アニ事件と報道検証

人権と報道・連絡会の第324回定例会が10 月25日、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、15人が参加した。テーマは「京都アニメーション事件と報道検証」。

アニメ製作会社、京都アニメーション(京アニ)の第1スタジオ(京都市伏見区)で7月18日、建物が全焼し、社員36人が死亡、33人が負傷した。メディアは、未だ逮捕されていない男性を殺人と放火の容疑者として名前を出して報道、死者の身元情報の公表を京都府警に要求した。これを受けて警察は、遺族が公表を拒否している人も含め全員の氏名を地元記者クラブに開示。メディアは、警察が公表したとして「生きた証を残すため」と被害者についても実名を報道した。定例会では、代表世話人の浅野健一が「記者クラブへの情報提供は『公表』ではない。『生きた証』など嘘だ」とメディアを批判、事務局長の山際永三が、事件は格差社会での破滅的な〝個人テロ〟だと指摘し、真の原因究明に資する報道の必要性を訴えた。