人権と報道・連絡会主催の「第34回人権と報道を考えるシンポジウム」が昨年12月15日、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加した。テーマは「改めてオウム事件を問い直す」。
昨年7月、旧オウム真理教の元幹部ら計13人に対する死刑が、一斉に執行された。一連のいわゆる「オウム事件」をめぐる刑事裁判では、多くの謎が未解明のまま残された。一連の事件では破壊活動防止法の適用が狙われ、それが頓挫するや、さらに違憲性の強い団体規制法などが制定されて、信者らに対するすさまじい排斥の動きは今も執拗に展開されている。シンポでは、破防法の弁明手続きで教団側の弁護団に参加し、その後も排斥運動をめぐる民事裁判などに代理人として携わっている内藤隆、清井礼司両弁護士と、弁明手続きの立会人も務めた浅野健一・当会代表世話人の3人のパネリストが問題提起。破防法の適用請求を退けた決定で公安審査委員会は、教団には将来的に破壊活動を行なう恐れはないと認定したにもかかわらず、メディアが率先して排斥運動を主導している現状などについて議論した。