人権と報道・連絡会の第286回定例会が7月19日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加、「狭山事件50年――再審と報道の再検証」をテーマに部落解放同盟中央本部狭山担当事務局の安田聡さんが報告した。
狭山事件は今年、発生から50年の節目を迎え、第3次再審請求審では新たな証拠開示が続いて、再審開始へ大きく期待が高まっている。安田さんは、事件の概要と裁判の経過、確定判決の構造と再審請求の争点、第3次再審請求の新証拠と証拠開示の現状などをわかりやすく説明、当時の捜査と報道の問題点について詳細に分析・問題提起した。この事件では、被差別部落に対する警察の見込み捜査、住民の差別意識が冤罪の大きな要因として問題になったが、安田さんは警察情報に依存した犯人視報道が差別・偏見を煽った結果、思い込みによる間違った目撃証言を生むなど、報道が裁判にも重大な影響を及ぼしたと指摘した。