第313回定例会(2017.7) 今治・参考人自殺事件と報道

人権と報道・連絡会の第313回定例会が7月21日夜、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約20人が参加した。テーマは「今治・参考人自殺事件と報道」。事件後すぐ現地取材した世話人の浅野健一さんと、現職警官として初めて警察の裏金作りを内部告発した元愛媛県警の仙波敏郎さん(電話中継)から報告を受けた。

愛媛県今治市で4月下旬から5月初めにかけ、高齢の女性が相次いで刺殺される事件が起きた。今治署は5月4日、30歳代の女性を「任意で聴取」したが、女性は関与を否認し、聴取の翌朝、ホテルで自殺しているのが見つかった。この「事件」では、メディアは女性の聴取を大きく報道、テレビは「容疑が固まり次第逮捕する方針」などと放送した。
浅野さんは「任意聴取段階でメディアが行なった大々的な犯人視報道が女性を自殺に追い込んだのではないか」と指摘。仙波さんは、「証拠もないのにいきなり聴取したのは大問題。目撃情報との食い違いなど冤罪の可能性もある」と愛媛県警の杜撰な捜査を厳しく批判した。