第312回定例会(2017.5) 袴田事件再審とDNA問題

人権と報道・連絡会の第312回定例会が5月26日夜、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加した。テーマは「袴田事件再審とDNA問題」。弁護団の角替清美弁護士から報告を受けた。

2014年3月27日、静岡地裁の再審開始決定で袴田巖さんが48年ぶりに釈放されてから3年、検察の抵抗で袴田さんは今も「確定死刑囚」の状態に置かれている。東京高検は再審開始の決め手になった本田克也・筑波大教授によるDNA型鑑定の信用性を崩そうと鑑定検証実験を要求。東京高裁がこれを受け入れ、鈴木広一・大阪医科大教授が2月に「鑑定の手法に疑問」との検証経過報告書を提出し、メディアが大きく報じた。角替弁護士は、「鈴木検証」の問題点を詳細に批判し、理不尽な主張を繰り返す検察を厳しく批判。質疑では、検察リークで本田鑑定の意義を否定する報道に批判の声が相次いだ。このほか「宮崎大ハラスメント訴訟」について、当事者の都留文科大学教授・早野慎吾さんから冤罪・報道被害について報告を受けた。