第311回定例会(2017.3) 狭山事件再審の現状

人権と報道・連絡会の第311回定例会が3月24日夜、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約30人が参加した。テーマは「狭山事件再審の現状」。人報連事務局長で映画監督の山際永三さんが狭山事件第3次再審請求で開示された取調べ録音テープをもとに制作したビデオ「冤罪を作り出す『取調べ』――狭山事件の場合」を上映し、弁護団の河村健夫弁護士から報告を受けた。

ビデオ(55分)は、47日間にわたって石川一雄さんに自白を強要した取調べの一部を録音テープに忠実に再現したもの。取調官と石川さんの「会話にならない不思議な会話」が延々と続き、実際の取調べとはこういうものなのか、と実感させてくれた。河村弁護士は再現ビデオの上映を受けて、「なぜ無実の人間が自白させられるのか」を解説したうえで、第3次再審請求で弁護団が提出した万年筆をめぐる新証拠「下山鑑定書」の意義などについて詳しく報告した。