「裁判員制度と犯罪報道」をテーマに、第24回人権と報道を考えるシンポジウムが11月22日午後、水道橋・東京学院で開かれ、約80人が参加した。
来年5月実施予定の裁判員制度は、誤判への反省や市民の目で「無罪を発見する」視点が欠け、「争点整理」と称して被告人の権利を制限、冤罪を助長する制度改悪を伴っている。証拠隠し、密室取り調べ、人質司法など冤罪を生む構造も改められず、「被害者参加制度」とセットで「重罰化」を加速させる危険性がある。一方、被疑者を犯人視する報道は、報道被害を生み、裁判にも予断を与えてきたが、その弊害が裁判員制度でさらに拡大する危険性、それを口実にした「報道法規制」の恐れもある。
シンポジウムでは、志布志事件(踏み字事件)の冤罪被害者・川畑幸夫さん、立命館大学大学院の渕野貴生・准教授、同志社大学の浅野健一教授の3人が、冤罪と司法改革、裁判員制度の問題点、裁判員制度と犯罪報道改革の課題を論点に発言・問題提起、これを受けて参加者の間で活発な議論が行われた。