第308回定例会(2016.7) 鈴鹿殺人事件の裁判と報道

人権と報道・連絡会の第308回定例会が7月22日夜、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約20人が参加した。テーマは〈鈴鹿殺人事件の裁判と報道〉。フリージャーナリスト・今井恭平さんから報告を受けた。

事件は2012年11月、三重県鈴鹿市の会社役員T氏(38歳)が自宅で頭部を殴打され、殺害されたもの。当日、被害者宅を訪れた会社の共同経営者の加藤映次さん(当時34歳)が犯人と疑われ、逮捕・起訴された。加藤さんは容疑を否認、彼の友人らが昨年、「守る会」を結成した。昨年5月、津地裁で始まった裁判員裁判は67 日間の長期裁判になり、7月24日、津地裁は「状況証拠」だけで懲役17年の有罪判決を言い渡した。加藤さんは直ちに控訴、今年2月から名古屋高裁で控訴審の審理が続いている。例会では、一審から裁判を取材してきた今井さんが、加藤さんに最初から的を絞った予断捜査、物証がなく推測の「間接証拠」を並べた検察「立証」、それを認めた判決の問題点を詳細に指摘、二審の裁判の課題を提起した。