人権と報道・連絡会の第305回定例会が1月15日夜、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加した。テーマは〈映画「裁判所前の男」上映とトーク〉。長編ドキュメンタリー(ビデオプレス・65分)を上映し、主人公の大髙正二さんと監督の松原明さんにお話をうかがった。
大髙さんは自身の訴訟体験から東京・霞が関の裁判所合同庁舎前で痛烈な裁判所批判を続けていたが、その「報復」から2010年、裁判所と警察に「傷害事件」をでっち上げられ、逮捕された。法廷証言する被害者、目撃証人、それを裁く裁判官、その全員が身内という異様な裁判は、傍聴者をテロリスト扱いする警備=弾圧法廷で開かれ、大髙さんに懲役1年2月の実刑判決を下した。
映画は、この理不尽な裁判の実態と、それに屈しない大髙さんの闘いを丹念に追い、日本の裁判の恐るべき実態を暴き出した。上映後のトークでは、裁判所と癒着し、裁判の問題点を報道しない記者クラブの問題点も含め、裁判をめぐるさまざまな問題が提起された。