第297回定例会(2014.9) 栃木・今市事件の報道

人権と報道・連絡会の第297回定例会が9月12日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約30人が参加した。テーマは「栃木・今市事件の報道検証」と「名古屋・実名報道被害訴訟の現状」の2件。

2005年12月、栃木県今市市(現・日光市)の小学校1年生女児が殺害された事件で、栃木県警は6月3日、栃木県鹿沼市の男性を逮捕した。男性は1月に別件で逮捕・起訴され、4月に地元の下野新聞が1面トップで《関与を自供》と報道、各メディアが後追い報道した。6月3日の「本件」逮捕発表で、新聞・テレビは連日、大々的な犯人視報道を展開し、「足利事件」報道の反省は完全に吹き飛んだ。例会では、世話人の山口が下野などの報道の問題点を中心に検証した。
「実名報道被害訴訟」は、2010年に「名古屋偽造文書冤罪事件」で実名犯人視報道され、深刻な報道被害を受けた佃治彦さんが昨年8月2日、朝日新聞、毎日新聞、中日新聞の3社を相手取って、東京地裁に名誉毀損などの損害賠償請求訴訟を起こしたもの。提訴から約1年たち、木下渉弁護士から、審理の経過・要点と今後の見通しについて報告を受けた。