人権と報道・連絡会の第296回定例会が7月11日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約30人が参加した。テーマは「三鷹バス痴漢冤罪事件の裁判と報道」。この事件の冤罪・報道被害者、東京・三鷹市立中学校教諭の津山正義さんと池末彰郎弁護士から報告を受けた。
津山さんは2011年12月22日夜、路線バスの車内で女子高校生の臀部をスカートの上から触ったとして、東京都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕され、約1週間後、『朝日新聞』『読売新聞』などに実名犯人視報道された。津山さんは捜査段階から一貫して無実を訴え、一審ではバスの車載カメラの映像鑑定で無実が裏付けられた。しかし、東京地裁立川支部は昨年5月、「被害者供述」だけで罰金40万円の有罪判決を言い渡した。弁護団は控訴審で、車載カメラの映像について専門家に再度鑑定を依頼し、その法廷証言も行われた。例会4日後の7月15日、東京高裁は「原判決を破棄する。被告人は無罪」として、逆転無罪判決を言い渡した。