人権と報道・連絡会の第292回定例会が3月7日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約20人が参加した。テーマは「護衛艦『たちかぜ』いじめ自殺事件~内部告発と裁判」。2004年10月、海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」乗組員・T一等海士(21歳)が自殺。遺族は「自殺は先輩隊員のいじめが原因」として06年4月、国などに計約1億3千万円の賠償を求める国家賠償請求訴訟を起こした。
一審・横浜地裁は「自殺はいじめが原因」と認めたが、「上官らは自殺を予見できなかった」として賠償額を約440万円にとどめた。控訴審では、現役の三等海佐が「いじめに関するアンケート文書が隠されている」などと内部告発、国側も文書の存在を認め、開示した。控訴審は1月27日に結審、4月23
日判決の予定。例会では、原告代理人の田渕大輔弁護士が、自殺を招いたいじめの実態、両親の真相解明の努力、横浜地裁判決と内部告発による新たな展開、二審の争点、それらに関する報道について詳細に報告、参加者の間で討論した。