人権と報道・連絡会の第284回定例会が5月17日夜、水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加した。テーマは「大崎事件再審請求棄却と報道」。
再審を求めている原口アヤ子さん(85歳)の弁護団事務局長・鴨志田祐美弁護士から報告を受けた。1979年に鹿児島県大崎町で起きたこの事件で鹿児島地裁(中牟田博章裁判長)は3月6日、再審請求を棄却する決定を出した。事件は原口さんの夫の弟が変死し、親族4人が殺人罪などで逮捕されたもの。原口さんは一貫して無実を訴えたが、81年に懲役10年の有罪判決が確定。出所後の95年に再審請求し、02年に鹿児島地裁が再審開始を決定した。ところが2004年、福岡高裁宮崎支部がその決定を取り消し、その特別抗告が棄却された後、10年に第2次再審請求をした。鴨志田さんは、①警察情報を鵜呑みにした事件の初期報道②第2次再審請求で再審を求める世論を形成したメディアの報道③地裁決定の問題点を中心に報告、冤罪事件における報道役割の大きさを浮き彫りにした。