人権と報道・連絡会の第200回定例会が1月17日夜、総評会館で開かれ、約40人が参加、「恵庭冤罪事件と報道」についてに、昨年3月に始まった控訴審の現状と課題、「新潮45」訴訟などをテーマに討論した。
報告では「恵庭冤罪事件支援会・東京」のメンバーでもある人権と報道・連絡会の山際永三事務局長が、恵庭冤罪事件の重要性として「IT時代の冤罪/司法改革時代の冤罪」の視点から問題提起。北海道から駆けつけた「恵庭冤罪事件被害者支援会」の多田政拓さんが、最近のOさんの様子などを紹介した。
また、裁判の重要な争点である「携帯電話」問題で、支援会・東京の磯部忠さんが判決認定の誤りなどを報告した。「新潮45」問題では、昨年12月号にまた掲載された中傷記事について、世話人の山口が問題点を指摘、2002年2月号掲載記事に対する名誉毀損訴訟(1月18日提訴)の概要を代理人の山下幸夫弁護士が報告した。
人権と報道・連絡会の第201回定例会が2月14日夜、総評会館で開かれ、約50人が参加した。この日テーマは「女性国際戦犯法廷」をめぐるNHK番組改ざん問題。1月12日付『朝日新聞』が報じた番組への政治家の介入問題は、NHKや安倍晋三、中川昭一氏らの「開き直り」と、それを後押しする右派メディアによって「NHK対朝日の泥仕合」にねじ曲げられようとしている。まさに重大問題だ。
例会では、「女性国際戦犯法廷」主催団体の一つ・VAWW−NETジャパンの西野瑠美子さんから、番組改ざんの経緯、安倍氏らの「法廷」に対する事実歪曲発言の問題点などについて詳細な報告を受けた。また、この問題をきっかけに政治権力に弱いNHKの体質を改めさせようと発足した「NHK受信料支払い停止運動の会」の醍醐聰さんおよび視聴者・OBの立場から問題の真相究明とNHKの改革を求めている「放送を語る会」の小滝一志さんが、それぞれの取り組みについて発言。人報連世話人の浅野健一さんが「言論弾圧」との闘いの課題を中心に問題提起した。
人権と報道・連絡会の第202回定例会が3月14日夜、中央大駿河台記念館で開かれ、約40人が参加した。テーマは2月に続き「女性国際戦犯法廷」をめぐるNHKの番組改変問題。
朝日新聞報道に端を発したNHK番組改変をめぐる政治家の圧力問題は、安倍氏ら政治家、NHKの開き直りとそれに加担する右派メディアによって「NHK対朝日の泥仕合」化されつつある。
人報連の定例会では、問題の本質をよりよく理解するために、「VAWW−NETジャパン」が制作した『沈黙の歴史をやぶって・・女性国際戦犯法廷の記録』(64分)、および、問題のNHK・ETV2001「シリーズ 戦争をどう裁くか」第2回『問われる戦時性暴力』(40分)のビデオ2本を上映、VAWW−NETジャパンの運営委員の方に問題の焦点を解説していただいた。
この2本を見比べると、問題は「番組改変」どころか「法廷記録改ざん」というべきレベル。例会参加者からは、「より多くの市民に問題の真相を伝えていきたい」などの意見が出された。
人権と報道・連絡会の第203回定例会が4月18日夜、中央大駿河台記念館で開かれ、約30人が参加した。テーマは「卒業式ビラまき逮捕」報道と「熱海署不当逮捕事件」控訴審報告。3月に都内の高校前で卒業式での「君が代・日の丸」強制に反対するビラをまいていた人たちが「建造物侵入」の現行犯として逮捕される「事件」が相次いだ。メディアはこの重大な人権侵害をほとんど報道せず、記事にした新聞も警察情報を鵜呑みにした誤報を流した。例会では、都立農産高校(葛飾区)前のビラまきで逮捕されたAさんから、不当逮捕の実態を報告していただいた。また、熱海署不当逮捕事件では、昨年10月の一審有罪判決後、3月から東京高裁で始まった控訴審の状況について、無実の父親の救援活動に取り組む山本麻衣子さんから報告を受けた。
人権と報道・連絡会の第204回定例会が5月16日夜、同志社大学東京オフィス(大手町)で開かれ、約50人が参加した。テーマは「警察裏金と内部告発」。群馬県警の裏金問題を内部告発し、その報復を受けてでっち上げ逮捕された元警部補・大河原宗平さんから、裏金の実態、それを告発した経緯、報復の懲戒処分やでっち上げ逮捕、それに対して今年3月に起こした国家賠償訴訟の概要などについて報告を受けた。
でっち上げ逮捕の際には、新聞など主要なメディアが警察発表を鵜呑みにした報道で大河原さんの名誉を毀損する一方、肝心の裏金問題を報道せず、「権力の広報機関」化を露呈した。大河原さんは、裏金問題以外に交通取り締まりの実態や犯罪統計のからくりなども指摘、「明るい警察の実現」に向けた改革の必要性を熱っぽく訴えた。