自治労音協通信 |
4面 NO32号/99.3.15発行 |
電脳楽々世界(連載第6回)UNCLE まだまだ寒さが続きますが、もうひとふんばり、来月になれば暖かくなってくるでしょう。日音協のほうもそろそろ「うたのひろば」6集の選考に入ったり、音楽祭の準備とにわかに忙しくなってきました。「うたのひろば」のノミネートもかなり揃いましたが、もっと色々な曲を載せたいと、事務局も苦労しています。みなさんも自薦他薦を問わず載せたいと思う曲をどんどん事務局まで送りましょう。 プラスセクション 前号まではリズムセクションの打ち込みでしたが、いよいよアレンジのやりがいのあるブラスセクションといきます。簡単にやるためにはブラスという音色名があります。ビイグバンドのような雰囲気をだすためには、このブラスセクションをオクターブを変えて2チャンネルつくります。なんのことはなくひとおとりエディットしたらコピー&ペーストで、別チャンネルに同じものをつくり音程を1オクターブ移動してやればいいわけです。ブラスのエディットで大事なところは、呼吸をシュミレートすることですね。一息で吹くところはひとつひとつの音にせず、ピッチベンドでなめらかに音を変えていくことです。
ピッチベンド 新しい言葉がでてきました。「ピッチベンド」これはなんでしょう?ギター等でビブラートしたりチョーキングしたりするとき、DTMではピッチベンドを使います。ただ通常のままではピッチベンドは2度までしか効きません。ビブラートやチョーキングではこれで十分ですが、ブラスの音を滑らかに変えるためにはこれでは不十分です。 そこで音源にピッチベンドの幅を変えるためのエクスクルーシブメッセージというのを冒頭に打ち込みます。シーケンサーのエクスクルーシブメッセージ欄に「B4 65 00 B4 64 00 06 0C B4 65 7F B4 64 7F 」と打ち込みます。最初の「B4」というのがチャンネル番号ですが、4で5チャンネルというように番号がひとつずれます。ブラスセクションをふたつ、5と6チャンネルに設定するならば「B4」から始まるメッセージと「B5」から始まるメッセージを二つ打ち込みます。また、ベンド幅は8番目のメッセージ「OC」というのがそうです。つまり0〜12ということですね、コンピューターの数字というのは0から始まり9までいってそのあとはA〜Fまで15進数になります。ベンド幅が6段階でよいならここの数字は「OC」ではなく「05」になります。 イニシャライズ ここで他のメッセージについても少し触れておきましょう。まず、前に出てきたイニシャライズ(音源の初期化ですが、データをフロッピーやメール等で人に渡すときには必ず冒頭に初期化メッセージを入れましょう。データを自分一人しか使わない時でも、複数の曲を頻繁に行き来するような時は必ずメッセージを入れるようにしましょう。初期化メッセージはGSリセットで「F0 4110 42 12 40 00 7F 00 41 F7」汎用のGMシステムオンで「F0 7E 7F 09 01 F7」です。ここでは触れませんが、それ以外でも楽器の倍音を操作したり、ビブラートの長さや深さを変える、メッセージでなくともできますが、各種のエフェクトや音の定位を変えるパン等があります。 バンクセレクト もうひとつ大事なメッセージでバンクセレクトというものがあります。御存じのようにGS音源には百種類以上の楽器の種類がありますが、実はもっと多くの楽器音が隠れていて、それを選ぶのがバンクセレクトと言うものです。ローランドの音源のギターでいいますと、クラシックギター、スティールギター、ジャズギター、クリーンギター、ミュートギターオーバードライブギター、ディストーションギター、ギターハーモニックスの8種類ですが、バンクセレクトを使うことによりウクレレ、12弦ギター、マンドリン、ハワイアンギター、コーラスギター、ファンクギター、フィードバックギター等が使えるようになります。たとえば6チャンネルをウクレレに指定したい時には「B5 00 08 B5 20 00 」と書き込みます。「B5」は6チャンネル、3番目の「08」がウクレレの指定です。初期化直後の指定は「08」が「00」になっていてクラシックギターの指定になっています。 ボイスリザーブ あとふたつだけ大事なメッセージを紹介しておきます。ひとつはボイスリザーブ、通常音源は同時に28音を発音することができますが、音を重ねる等それ以上の発音数になってしまった時、ちなみにエレキギターは単体でなくバイオリンの音を重ねるとそれらしく聞こえます。発音数がオーバーしそうな時、そのままでは数字のすくないチャンネルから優先的に発音していきますので、どうしても聞かせたいチャンネルを優先的に聞かせるようメッセージを入れます。これは全チャンネル同じに指定しますが、28もあればたっぷりだと思いがちですが、ドラムだけでも同時発音数で5〜6使いますし、ピアノやギターのように和音を弾く楽器は、その和音数だけ指定しておかないと鳴らない音がでてきてしまいます。こう考えると28ぐらいはすぐオーバーしてしまいますね。全部のチャンネルの発音数をひとつにした場合、「F0 41 10 42 12 40 01 10 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 1F F7」となります。7番目の「01」が1チャンネルの発音数がひとつというメッセージ、10番目の「01」がドラムの発音数です。以下11番目〜25番目までが2チャンネルから16チャンネルまでの指定です。もうひとつは通常パーカッションや効果音等は、ドラムと同じ10チャンネルに指定されていますが、ドラムとは別にエディットしたい時や効果音のパンを指定したい時、たとえば自動車の走行音で右から左へ走り抜けていく様を表したい時等は別チャンネルに指定しないとパンを変化させることが出来ません。 ブラスセクション ブラスセクションに戻りますが、ブラスセクションの場合ブラスとしての音が音源内にある程度出来上がっていますので和声をつけたり、コーラスエフェクトをあまりつける必要はなく、つけるとしつこくなります。 もちろん、ここでつくった音を譜面化して実際に生で演奏しようというかたはエディットしておいてください。この点もコンピューターは便利で、最近ではミディデータと譜面が連動するソフトも多く、ブラスセクションに限らず、ミディデータそのものを簡単に譜面化できますので是非利用しましょう。今回はエクルクルシブメッセージの話で長くなってしまいました。次回は最終回、今までのまとめとします。
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