自治労音協通信

 1面  NO27号/98.5.15発行

 

富山駅前の地下道には温かな人がイタ・・・!

●日時一九九八年四月二十四日一八時●安田生命ホール

第12回自治労コンサート報告

一九九八年四月二十四日(金)午後六時半より、富山市の安田生命ホールにおいて、自治労本部報道出版局・青年部・女性部は今日第十二回自治労コンサートを開催しました。

コンサートには北海道から、沖縄まで全国から三十五名の仲間が集まりました。富山の参加は出演者も含め十数名と少なかったのですが、会場が広い(百五十名収容)ということ(グランドピアノのあるコンサート会場がここしかなかったため)もあり会場の明かりが落ちてからは、落ち着きました。

開会前のシングアウトは「Heart to Haert」の明るい曲ではじまり、初参加者も乗りのいい曲のためすぐに覚えてしまいました。

地元富山県本部副委員長の高木睦子さんからあいさつをいただき、司会進行の富山県本部の阿閉智さんの手馴た司会でコンサートははじまりました。

 うたとピアノとクラリネットの夕べ

一部のメインゲストは、ピアニストで声楽家の吉村安見子さんとクラリネット奏者の橋爪恵一さん(phot1)が演奏しました。「ひびかせうた」詩=木島始、曲=萩京子、「うた」詞=佐藤信、曲=林光「わかれ」原詩=白玲、曲=林光「幻想小曲集作品七三より一」曲=シューマン「愛について」詩・曲=友部正人、編=矢野顕子「ゆめのよる」詩=谷川俊太郎、橋爪のソロで「マリーアの思い出」、「グランド電柱」詩=宮澤賢治、曲=林光、「林と思想」詩=宮澤賢治、曲=林光、「組曲『木々』作品七五より」曲=シベリウス、「空に小鳥がいなくなった日」詞=谷川俊太郎、曲=林光、の十曲をお話や楽しい語りをしながらその五十分間を、吉村さんの真直ぐな透きとおる歌声と美しいピアノの旋律、そして、橋爪さんの純粋な歌と爽やかなクラリネットの音が出るたびに、新しい世界を彷佛と感じさせてくれ会場の聴衆を魅了しました。

 初参加の仲間の熱演で盛りあがる!

二部の仲間の演奏では、新しいオリジナル曲やサークル活動の成果発表を、全国から集まった自治労の仲間が繰り広げました。

オープニングは、ブービーバンド (自治労北海道本部札幌市職労)桑野功、榊原隆子、磯野宏之の三人トリオ。社会風刺を利かせたコントソングから、聞かせる歌もオリジナル多数。今回の出し物は「九八世直しソーラン節」、「インデペンデンス」作=ブービーバンドでした。そしてノーサイド(phot2)が日音協のCD収録曲の「海のある町へ」を飛び入り演奏して宣伝に一役かいました。

ZOーさんず(phot3)(自治労富山県本部)の阿閉智、渡辺昇信の二人は二年前からコンビを組み、ギターを始めたばかりの阿閉の成長を待って、今回自治労コンサート初デビューとなりました。オリジナル二曲「ZOーさんずのテーマ」詩=阿閉智、曲=渡辺昇信、そして四月からの専従という立場で新しいスタートをきることを歌った「スプリングスタート」詩・曲=阿閉智を、二人の息のあったエレキギターのサウンドで歌いきりました。他にも楽しいオリジナルが沢山あるという事でしたが、時間の関係で次回の発表を好御期待となりました。

今回三回目出演の桃井雅和(phot4)(自治労茨城県本部茨城町職労)さんは、これまで浜省ばっかりやっていましたが、ようやくオリジナルを発表しました。「そら」という曲でなるほど浜田省吾に通じる詩の内容でした。

小川典子(phot4)(自治労東京都本部直属支部)は、「ひとりじゃないよ」「Heart to Heart」などお馴染みの曲の作者山口真さんの曲「夢を心にーSing a song」。この歌は、自治労仲間の歌では選にもれた曲ですが素敵な歌なので広めたいということでした。自作の「Sound of Wind」は、昨年四月二十五日父親が亡くなり、一周忌ということで父親への追悼歌として歌いました。ピアノアレンジは松本敏之、伴奏は吉村安見子でした。

今回初登場の高倉琢哉(phot5)(自治労山口県本部下関市職労)「大分出身の私が、下関市役所に入職して、はや四年目。この三年を振り返ってみると、特に昨年は私にとって忘れる事のできない年になりました。それは一本のフォークギターからはじまりました。ある日公園でフォークギターで歌っていたら、周りの人たちが私の歌をきいてくれました。それからその人たちと友だちになりいろんなことを学ぶ事ができました。いまでは、フォークギターは、大切な宝物です。今時代は、闇の世界へと変わりつつあり、何を信じ、何を信頼すればいいのか考える時間が増えました。こういう時代の中、いかに職場の人たちそして友人と協力し合い、いかに時代の流れに乗り、舵をとるか考えていきたいと思います。」という自己紹介とオリジナル「時は流れて」、「時代」詩・曲=高倉琢哉の二曲をパワーを込めて歌い上げました。

地元の看護婦さんで五月より富山県本部で衛生医療評と女性部担当で専従になる予定の、井加田まり(phot5)(自治労富山県本部高岡市職労)さんは、三年程音楽祭に参加していませんでしたので、久々の参加。「沖縄で」は、十五年前に創作した曲です。沖縄の立場と沖縄の人たちの感情は、ひとことでは言えないと思いますが、忘れてはならないこと・・・を強調して創りました。今年の鹿児島での日教組の教研集会の構成詩のなかで歌われたそうです。「やまぼうし」は『ししの子』のサークル員でもある坪利淑子さんの作品です。今回の伴奏はこのサークルの仲間であり、創作集団『CAM』のメンバーでもある大門さんのギター伴奏で歌いました。

松本敏之(phot6)(自治労栃木県本部県職労)は学生時代ブルーグラスのバンドで活躍していました。現在メンバーはあちこちに、散らばってしまい、いつかきっと思い出のナンバーを仲間と演奏したいが・・・。今回はそんなうたから「ウィル・ザ・ローゼズ・ブルーム」詩・曲=レスター・フラットとアール・スクラッブスを演奏しました。「彼女の眠るこの地にばらは花を咲かせるだろうか。花びらを落とすだろうか。朝露がそのばらに宿るだろうか。彼女が地下に眠るこの地で。」もう一曲は自作の曲を歌いました。栃木の地方紙『栃木新聞』は、経営側が一方的に会社解散を決定。労働組合は地域の労働者の支援をうけて、「栃木新聞の灯を消すな」と三百六日闘い続けました。その時の構成詩の挿入曲「風の音(こえ)」詩=大島義典、補詩=小川典子、曲=松本敏之、を歌いましたが、最後の大事な歌詞「若者の夢をかなえてくれる」を「若者の夢を壊して進む」と二番の歌詞と同じになってしまい、大失敗してしまいました。当初この曲は歌詞が一番しかなく、やはり「壊して」だけだったので、それでは展望がないと小川が三番にまとめなおしたいきさつがあった詩なのですが・・・。

今回トリに選ばれたのは、Revolution Boy,sの羽深文男+里美さん(phot6)(自治労長野県本部長野市職労)は長野市職の組合バンドです。いつもは四人編成で組合活動など賑やかしているんですが、都合により今回は二人でがんばりました。Let,s”ストレス解消”together!長野県本部、西川女性部長がんばれ!というコピーに聴衆参加の西川恵さん、そして、青年部長の小川晃さんも大感激!みんなの聞き慣れたコピーの曲「Feel My  Heart」、「Face the chance」、「Dear My Friend」詩・曲=Every Little thingの三曲を、思いっきり元気な二人組(妻=単組書記、夫=前青婦部長)が熱演しました。

そして、八時五十五分に無事終了。帰りがけにMD収録していただいた安田生命ホールのスタッフのかたからMDを渡されついでに、「楽しませてもらいました。」といわれ良かった!とは事務局の感想でした。

駅前の地下道でライブを開催!

時間は過ぎて、懇親会では講師を囲み、初参加の仲間も加わり、交流を深めました。その後十一時頃、駅前の地下道で松本、桃井、高倉がギターで、フォークからブルグラ、尾崎豊まで、ライブを延々十二時過ぎまで行い、雨もあったせいか、温かい気持ちのある?通行人の若いサラリーマンの三人組や中年のおじさんが一緒に座り込んで聞いてくれました。リクエスト多数に応えきれませんでしたが、二千二百円の成果をあげ、その後駅前屋台での二次会の軍資金となりました。

ついでに、山口県下関市職の高倉さんは前泊でこられ、富山のストリートミュージシャンとの友情を深めました。そして、この二日目のストリートライブとなったのです。フォークや歌声全盛期とちがって、カラオケの賑わしくも空しい今日この頃ですが、こんな世界はやっぱりすばらしい出合いがある事を参加者一同再発見しました。

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