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NO24号/97.11.10発行 3・4面 |
(自治労音協事務局長)松本敏之 ブルーグラスの話をしても多くの場合は「それはどんな音楽ですか」と聞かれます。私は「フォークミュージックとカントリーと足して2で割ったような音楽で、バイオリンとバンジョーを使うもの」と答えています。代表的な歌手(グループ)や代表曲と言っても、あまり有名なものはありませんが、ビル・モンローと彼のブルー・グラス・ボーイズ、レスター・フラットとアール・スクラッグスとフォギー・マウンテン・ボーイズ、スタンレー・ブラザーズとクリンチ・マウンテン・ボーイズ、この3つが古典的な意味でブルーグラスを代表するグループです。 曲として一番有名なのは、映画「俺たちに明日はない」のテーマにも使われた「フォギー・マウンテン・ブレークダウン」。これはアール・スクラッグスのバンジョーを中心とした器楽曲(インストゥルメンタル)です。狭い意味でのブルーグラスではありませんが、ビル・モンローの歌う「ケンタッキーの青い月」は、エルビス・プレスリーのマイナー・レーベル(サン・レコード)時代のデビュー・レコード(ザッツ・オールライト・ママ)のカップリング曲として有名です。 ブルーグラスとは何を指すのかという問題は、少し議論がある問題です。私は、カントリー音楽の演奏スタイルのひとつであって、1940年代なかばにビル・モンローを中心につくられたものだと考えています。演奏スタイルというのは、歌曲・器楽曲ともカントリー音楽の広いジャンルと共通していて、この点では特定できないという意味があります。演奏スタイルとしては、5人編成が標準で、3人から7人のほとんど男性で構成されます。楽器編成で言えば、ギター(生で必ずスチール弦を使用する)、バイオリン(ブルーグラスを含むアメリカ民俗音楽では「フィドル」と呼ばれる)、5弦バンジョー(3本指奏法で演奏する)、フラットマンドリン(マンドリンの裏側が丸くなく平らなもの)、ベース(いわゆるコントラバス)の5楽器が基本です。 もちろん例外はいくらでもあり、バイオリンまたはフラットマンドリンを省略したもの、エレキベースを使用するもの、エレキギターまたはドブロギターなどを加えたグループも多くあります。歌は、ソロ、デュエット、トリオ、そして宗教歌を歌うときなどはカルテット・コーラスなどのパターンがありますが、古典的なものはすべて男声だけであり、サビだけがコーラスという形もかなり一般的です。前奏のほかに第1コーラス、第2コーラスの間あいだにいちいち間奏がはいり、バイオリン、バンジョー、そして少し頻度が少ないフラットマンドリンがここぞとばかりにアドリブ・ソロを演じるほか、ギターやごくまれにベースがソロを演じることもあります。歌曲(楽曲)のテーマを変形させながら1コーラスずつ交互に楽器がアドリブ・ソロを演じるスタイルは、ジャズを模倣したものであると言われています。 ブルーグラスの一番の魅力は、テンポの速い曲のドライブ感でしょう。もちろん、ミディアム・テンポやスロー・テンポ、ワルツにも魅力的な演奏はたくさんあります。楽しみ方としては、屋外コンサートがいいでしょうし、特に夏にキャンプ地などで開催されるフェスティバルでは、最もブルーグラスを満喫できるでしょう。 ブルーグラスをこれからCDで聴いてみようという人には、最初にあげた、ビル・モンロー、フラット・アンド・スクラッグス、スタンレー・ブラザーズがまずお奨めです。この3グループのものならまずはずれはありません。ただ、ビル・モンローの1945年以前のものはブルーグラススタイル以前ですから、注意が必要です。イーグルスなどウェストコーストのロックが好きな人には、カントリーガゼットがいいかも知れません。(98.1月号につづく)
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'■CD紹介コーナー 96年第17回度音楽活動家養成講座の講師、第10回自治労コンサートin盛岡ゲストの李政美さんがCDをつくりました。『わたしはうたう』というカバーがついています。ほとんどが、ジョンミのオリジナルです。 *CDを購入したい方は、自治労音楽協議会の郵便振替口座(00110-8-571236)に3,000円入金して下さい。2週間以内に送付いたします。なお先着15名までライブ通信とCD制作日誌を差し上げます。 ●ホームページにリンクhttp://www.bekkoame.ne.jp/~a-nagae/idyonmi.index.html ☆97.6.25ホームページから『ジョンミのひとりごと』 「この頃、歌うことがとても楽しい。音楽って、こんなに楽しいものだったんだね。20歳の頃から歌いはじめて、こんなふうに思えたことは一度もなかったように思う。私自身をさらけ出してしまうのが、とてもこわかったから。 何度ももうやめようと思いながら、歌に引き戻されてしまうのはなぜだろう。ずっと押し込めていた本当の私が、いつも出口をもとめてジタバタしている。今、心の扉のネジが少しづつ緩んで、もう少しではじけてしまいそう。私のなかの弱さも醜さも全部さらけ出すことができたら、歌ももっと自由になるだろう。 生きている間に、どこまで行けるのかな。なんだかとっても楽しみ。」 |
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★『インティ・イリマニジャパンツァー'97』 国際交流基金の招きで、チリから『インティ・イリマニ』が訪日。9月25日(初日ルネ小平)〜10月3日まで日本各地でコンサート公演をおこなった。 「南米の民族音楽をベースに30種以上の楽器を使用し、オリジナリティーあふれる音楽を創作している。世界各国で年間ツアーをしながら、その土地で出会った新しい文化・音楽・楽器を取り入れ、常に新鮮で変化に富んだ音楽は、現代のフュージョンの洗練されたスタイルとして賞賛されるものである。」との紹介から察していただければ、その音楽のすばらしさは大変なものであった。 フォルクローレのバンド『アイレス』でボーカルとボンボを担当している、東京北区職労の船山恵子さんの紹介で聴くことができたが、こんなチャンスはめったにないので、CDを2枚も買ってしまった。イリマニの情報やCDが欲しい方はホームページhttp://www.inti-illimani.comでお問い合わせください。 |
★東宝ミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演10周年記念公演 8月から10月28日まで、毎日公演のスケージュールで東京日比谷の「帝国劇場」で「これまでのミュージカルの歴史を塗り替えた」といわれる『レ・ミゼラブル(惨めな人々)』は10年のロングランを続けている。19世紀前半のフランスの激動期を描いた作品。1985年ロンドンのバンビカン劇場で初演された。ビクトル・ユゴーの長大作を3部作にまとめたブーブリルと音楽を製作したシェーンベルグの作品は、多くの制作スタッフの手により完成された。ハイテクを駆使した舞台装置、回り舞台やライトカーテンでスピード感を出した演出になっている。そして、超小形ワイヤレスマイク(額のはえぎわに装着)は30本使用されている。主役のジャンバルジャンは鹿賀丈史、滝田栄、山口祐一郎の3人キャストだ。 11〜12月は、大阪での公演になるが、開演しょっぱなから、会場のあちこちから涙をさそってしまう程。作品の偉大さもさることながら、演技者の歌唱力・演技力のすばらしさは「さすがプロはちがう!」と感激のあまり2度目の観劇となってしまった。遠距離の皆さんにはなかなか観劇のチャンスはないとは思いますが、いつか是非感激?のチャンスをつくってください。チケット・ビデオ東宝テレザーブまで。03-3201-7777 |
★『ロスネリモス』10周年コンサート 8月30日光が丘IMAホールで開催された。照明のボランティアで常盤数行さん、ビデオに藤原清さん、写真とテープ録音で小川が参加しました。今回はじめて、PA機器を使用せず、反響板を降ろしての演奏を試みました。リハーサルの段階で音の拡がりに不安がありましたが、弦楽器を台にあげ、マリンバを後方へ配置したところ、当日は均衡のとれた音になりました。またこのホールでのはじめての照明も、反響板という困難な状況(ホリゾントは使えない)を生かし、光と色のコンビネーションのセンスで、「ブンガワン・ソロ」から「ノルウェイの森」まで17曲を、常盤さんの力を充分に発揮した光の魔術で、演奏のさわやかさに劣らず、すばらしい光の演出をつくり出しました。演奏者の皆さんに見てもらえなかったのが残念です。 『ロスネリモス』は10周年を記念して、新たにCD3rdアルバム「大地の心、小鳥の翼」と10周年記念文集を制作しました。申し込みは八木倫明さんまでお願いします。 ロス・ネリモス八木TEL・FAX/03-3977-6631 |
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「夢を心に(SING A SONG)」 詞・曲=山口 真(自治労名古屋市職労) 夢を力づくで奪い取るのは勇ましいが、細々とコツコツやっていくのもいいんじゃないか。彼女の心をGETするのも、力づくだけでなく、ほんの小さな隙間を見つけ、アプローチするのもひとつの手法だということです。 あきらめない事が大切だといいたかった。これは、オルグのときに必要な心構えだと思っています。そして、夢を持っている人にだけ夢をかなえる事ができる・・・”夢を持て”という事も・・・。(まなぶ10月号に掲載) |
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「これがわれらの生きる道」*(パフィーこれがわたしの生きる道替え歌) 詞=梶山一也(大宮市職青年部長)、曲=奥田民男
*自治労埼玉県本部は、構成劇『時期変更権とはいうけれど』を発表しました。これは実際に大宮市職の清掃職場で起きたことです。夏期交流集会への参加のための休暇の扱をめぐって、当局による『時期変更権』の乱用が問題となり、職場での当局とのやり取りのなかで仲間が成長していく課程をえがいた構成詩です。 |
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