死の力

(四百字原稿用紙・換算=2枚)
……………………「ユリイカ」1987年3月号に発表。


 わずか四百字詰原稿用紙2枚、800字強という、小説としては極限的な短さのなかに、世界の無限感と生の一回性の認識、にもかかわらずそこに立ちこめる「希望」への病のような衝動を造形しようと試みた掌篇。
 本書で最も明澄な雰囲気に包まれた1篇であるとともに、個人的には、そこにたゆたう青春後期の憂愁に満ちた仄かな幸福感によって、作者がこれまで書いてきた全小説のなかでも、最も愛着を持っている作品の1つである。強いて言えば「非人称」の小説ということになるか。【瑪瑙色表紙ノートから】


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