雨ふりの絵

(四百字原稿用紙・換算=24枚)
…………「流行通信」1984年12月号に発表。三部作「インク壜のなかの雷雲」の完結篇に当たる。


  ある秋の雨の早朝、首都圏を走るうらぶれた私鉄の始発電車の車輛のなかで、青年は「《世界保険》技師」を名乗る不思議な男に出会う。青年の破綻した恋愛についてなぜか知り尽くしたその男は、青年に《世界》の模型を示し、そこに「保険」をかけることを勧めるが……。
  絶望的な状況のなかで、なお余白のような「生」への意志を暗示した物語。「私小説」の手法への批判的意図をも込めた、疑似「一人称」小説。【松葉色表紙ノートから】


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