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(余録)「大学の契約更新問題」


 

 

 私は2004年3月に定年退職して以降、2004年度からA大学で、2005年度からB大学で非常勤講師をしています。これは後期に教職概説を担当するB大学での受講者数の話(契約更新問題)です。

 最初の2005年度は受講生数が100名を下回っていたのですが、2年目以降100名を越え、昨年は200名を越えました。今年度の講義が始まる前に受講者数を確認すると300名近くになっているので、驚きました。それで、今年からはカードリーダーによる出席処理を大学事務局にしてもらい、手作業による出席処理はやめました。また、毎回の授業での学生の感想文の読み取りとその中から学生に感想を紹介する作業も簡略にしました。作業量が多くて、とてもやっていけません。それで、心の中では来年度からはB大学でのこの講義の契約更新はしないことに決めていました。

 ところで、10月19日に出校しましたら、今年度の受講者数が多いため、「定期試験を行わず、平常成績(到達度の確認)での総合評価」はできず、「定期試験科目へ変更に決定」との連絡文書が来ていました。怒り心頭に来た私は、教職科目を担当する大学事務局の教職支援センターに行き、「300名規模の受講生に勝手にして、人数が多いために定期試験にしろとは何だ!」と怒鳴り込みました。もし「平常成績での総合評価」にしないと「明日からでも辞めるからな!」と私が要求したので、担当職員が上司に相談し、「平常評価で結構です」となりました。

 その後、B大学教務支援センター長名で「お詫び」の文書が郵送されてきましたので、もう一押しした方がよいと考え、教務支援センターに連絡し、教務支援センター長と会えるように要請しました。それで、11月17日に支援センター長、教務事務グループ長、担当職員と会いました。こちらから「お詫び」文書をいただいたことにお礼を言うとともに、「履修者数150名~200名と想定」していたにも関わらず、履修者が大幅に増加したことの反省に立ち、次年度に「このようなことのないよう対策を講じてまいります」と「お詫び」にあるが、「もし来年度も今年度と同様の事態になったらどうするか」とその実質化を要望しました。その結果、センター長は「来年度200名で募集を停止する」と約束しましたので、契約更新を確認しました。ということで、関西大学は70歳で非常勤講師も「定年」なので、あと2年間講師を継続することにしようと思っています。   

(資料)

以下はB大学教育推進部教職支援センター長名での「お詫び」の文書です。

平成24年度秋学期水曜6限「教職概説」について(お詫び)

 拝啓 平素は本学の教育に多大なご理解とご協力を賜り厚く御礼申しとげます。
 このたびは、先生にご担当いただいております標記の科目について、定員を大幅に上回る284名の学生が履修する結果となり、先生に多大なるご負担をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。
 本学では、「教職概説」の1クラスあたりの履修者数を150~200名と想定し、前年度の履修者数に基づき次年度のクラス数を策定しておりますが、このたび、当科目の履修者が昨年度より全体で約100名増加したこと、学部の必修科目との重複を避けて履修可能な6限に履修者が集中したことが、今回、履修者が大幅に増加した原因と考えております。これを受けて、先生には、事前に十分なご説明もできておらず、礼を失することとなりましたことについて、本年度まで推薦母体でありました文学部教育文化専修と教職支援センターより重ねてお詫び申し上げます。
 次年度につきましては、このようなことのないよう対策を講じてまいりますので、何卒今年度につきましては、ご容赦のほどお願い申し上げます。
 なお、今後とも変わらぬご指導のほどよろしくお願いいたします。


敬具



次は契約更新の「回答書」に書いた私の(通信欄)へのメモです。

 先に「お詫び」の文書をいただき、また、11月16日には直接お会いいただいた上、「来年度200名で募集を停止する」とお約束いただき、ありがとうございました。今年度のような300名近くの履修者のマスプロ授業は、教員養成の趣旨にふさわしくありませんので、ぜひとも200名までになりますように、よろしく対策を講じていただけますようにお願いします。 

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