市民立法機構  第3回運営委員会

 

日時:1997年8月25日(月)  10時〜12時

場所:学士会館  309号室

 

出席:安藤、上田、江橋、小塚、後藤(仁)、後藤(敏)、小林、斉藤、須田、土井、

並河、山岡

 

@今後の活動計画について

◎恒常的な活動

・立法ウォッチング

  立法ウォッチングを行うにあたり、現時点で作成した資料がどう使われるかはわからないが、まず運営委員で約30の法律(案)についてレビューを試みる。しかし、こうした活動は、基本的に利用者がいてはじめて継続的になるので、利用者と市民立法機構とのいい関係をつくることが今後の課題である。

  執筆に際しての資料として、本会議と委員会の議事録を、近日中に行革国民会議事務所に準備する。配布の書式はあくまでも目安として、形式は特にこだわらないこととする。なお「審議過程」は、院外での動きを加えて、大きく成立過程と考える。

 

・市民イニシアティブ

  現在、法政大学の学生(ボランティアを学ぶ授業の一環として)5名が、過去2年間の主な法律の発案・改正(政策の動き含む)について、行革国民会議のデータベースから調査をしている。これは、市民イニシアティブの調査とは異なるが、今後の市民立法機構の活動の基礎資料として利用したい。

 

◎プロジェクト

・リターナブルびん普及

  先日、経団連との会合をもったが、はじめから容器包装リサイクル法に欠陥があるという前提で、容器製造時課税制度を提案することには、色々と困難な面があることが確認された。

  そこで、施行から半年を経過した容器包装リサイクル法の現状を点検することから始めることとし、別紙、企画書にあるシンポジウム「容器包装リサイクル法の半年点検」を1015日(水)1330分〜1630分、憲政記念館ホールで開催する。ここでは、容器包装リサイクル法で、実施義務を負っている国、自治体、指定法人から報告をしてもらい、リターナブルびん普及のためのオールセクターによる評議会の結成へとつなげていきたい。

  このシンポジウムは、びん再使用ネットワークと市民立法機構の共催となるが、市民立法機構が他団体を後押しする最初のケースであり、経済団体との関係を注意したい。

  また、COP3との関係で、運輸省が低公害車に対する優遇税制を提案するなどの動きもあり、グリーンタックスが成立する見込みなので、うまくいく可能性もある。

 

・男女共同参画型社会

  袖井さんと話しをして、プロジェクトへの参加を了承された。手始めに、男女共同参画型社会を創るには、配偶者扶養控除制度に加えて、多くの問題があるという確認することをねらいとするシンポジウムを11月中旬に行いたい。論点としては、社会の基礎単位が“自立した個人”か“家庭”かということがある。また、年金等は世代間の問題でもあるため、なるべく若い世代の女性の意見を取り込んでいくべき。来春には具体的な提案を出したい。

 

・自治基本法

  近々、分権推進委員会の第三次勧告案が出され、政府による法改正へとつながるが、この間に、自治基本法市民草案を提案してキャンペーンを行いたい。1117日(月)に神奈川県で自治基本法をテーマとしたシンポジウムがあるので、ここで市民立法機構としての何らかの提案ができるかもしれない。いずれにしろ、辻山・神野コンビで議論を進めてもらう。

 

◎懇談会

・寄付のあり方

  懇談会を行うのであれば経団連の安斉さんも参加してくれる。また、日本NPOセンターとして寄付税制についての動きはないが、個人的に議論している人は多いので、日本NPOセンターとしても検討したい。

  基本的には、寄付の控除枠の括り方が問題だが、特に遺産の場合、自治体や国への寄付は遺族の意志によるが、公益法人への寄付は生前の本人の遺言が必要というように、官優先の制度をなんとかしたい。

  まずは、大きな枠組みで懇談会を結成して、若手とともに議論をすすめる。最初の寄付懇談会を、2030人程度のメンバーで11月6日(木)18時〜(場所未定)に行う。

 

A状況報告

◎NPO法(山岡)

  法案についての目立った動きはないが、日本NPOセンターが中心となって各地でNPO法案の勉強会を開催している。NPO条例案については、神奈川県が中心にアンケートを行い状況を調査しているが、多くの自治体では担当者が決まっていないのが実状。ただし、NPO法に関する都道府県の仕事をまとめてみると、手続上の仕事しかないので、最低限の条例では、あまり内容のないものになってしまう。

  このNPO法案は議員立法のため、自治省がモデル条例を作成しないので、右往左往する自治体が多いが、自治体が自治体内のNPOと相談しつつ独自の条例をつくることが望ましい。

 

◎情報公開法(安藤)

  前回の報告と同じく、依然として政府内部での法案ならびに諸々の関連法案整備に関する作業の進捗状況が不明のまま。おそらく、作業は停まったままだと思われる。9月24日(水)15時から推進会議を行い、仮にそれまでに関連法案の整備が遅れていることが判れば、本法だけでも先に議員立法で制定を求めるアピールを行いたい。