市民立法機構 第26回運営委員会

 

日時:1999年9月27日(木) 18時〜20

場所:(社)行革国民会議事務所

 

小島聡(法政大学人間環境学部助教授)

足立満智子(国民・住民投票を活かす会事務局長)

青山敬子(国民・住民投票を活かす会事務局)

 

@意見交換とプロジェクトの進め方―自治体に立法府をつくるプロジェクト

・神奈川ネットワーク運動―又木さん

 神奈川県では、厚木市と二宮町で、定数議席の8分の1を確保し、条例提案を行うことができるようになった。そこで、まずは提案をしてみることを重視している。

 来年4月からは、12分の1議席を確保すれば、条例案を出せるようになる。市民からあがってくる生活要求を条例案にしたものを、市民に戻して再度議論した上で、議会に提案していけるように互いに努力していきたい。だから、自治体議会を立法府に変えていくだけでなく、市民を巻き込んだ動きをつくっていきたい。

 厚木市議会は、他の議会と比べて自由質疑ができるため、原稿の棒読みではない中味のある議論をすることができると思う。

 今回の条例提案では、質問ぜめにあい答弁に終始してしまったが、自由な討論ができるのだから、逆に質問をかえしたりすることで議論を深めていきたい。

 こうした議会に対して、市長や市役所側は、傍観しているという状況。

 これからは、とんでもない条例案が多く出てくる可能性もあるし、仮にそれで市民が困る状況が起きたとしても、またそれを市民が修正するという新しい習慣をつくりたい。

 今回の条例案のねらいは、提案すること自体にも意味があるが、厚木市では選挙が短期間に続くために、横浜市よりも低くなっている投票率のアップもある。

 今回の提案で、議会が始まる直前では、提案できないということがわかったということなど、新たな発見はいくつもあった。今後は、ネットとして新しい条例をつくるための研究会を発足させて、提案者となれるように勉強する場をつくっていく予定。

⇒市民立法機構としては、条例をつくっているようなグループをネットワークし、収集した条例(案)に関する情報を提供するようなサービスをしていきたい。来年4月以降に照準を合わせた準備を始めるべき。

 

・国民・住民投票を進める会―足立さん

 戦後50年を経た主権者意識の高まりが、現在の住民投票運動の広がりにつながっていると思う。95年3月以降、把握しているだけで47件の提案が全国でなされている。こうした幾多の事例からはっきりしてきたことは、直接請求で住民投票を行うまでの大きな壁として議会が存在しているということがある。確かに代表民主制ではあるが、その全てを議員に信託したわけではないと考えている。

 こうした中から、@住民投票条例をつくろうという動き、A住民投票法を制定しようとい動き、B地方自治法を改正しようという動きが出てきている。

@に関しては、箕面市、今市市、京都市で提案がされている。Aに関しては、11月に住民投票全国ネットワークの主催で円卓会議を開催する。

 今、住民投票が求められているのは、市民と議会・自治体との間で意見の対立がある課題に対して、民意を聞いて欲しいという要望があるからだろう。本来、市民の意見は議会に反映されるべきであるが、新聞の世論調査だけでなく、集まった署名の数を考えても、市民の意見が反映されていない状況があることがわかる。やはり住民投票の制度的保証が必要だと考える。

⇒本来、この話をつきつめれば、地方自治法や憲法改正に行き着くのだが、かなり難しいい。また、イニシアティブ・レファレンダム制度も難しいことから、アドバイザリー・レファレンダムを条例で制度化する方向が考えられる。そのためにも上記の条例情報センターのような機能をもつ必要があるだろう。

 以上を踏まえた市民立法機構としてのプロジェクトの担当を小島さんにお願いした。

 

A活動報告

−市民セクター経済圏研究会

 NIRAの星野さんとの懇談会を受けて、別紙の企画書を斎藤さんが作成。名称を、「市民セクター経済圏研究会」とする。

 まずは、国際比較のためのナショナル・アカウンティングについての勉強会を行ってみる。

 

Bその他

−『市民立法入門』出版企画について

 ぎょうせいから上記タイトルで本を出版することになった。須田さんが本の構成案を作成し、各運営委員に執筆をお願いする。