個人情報保護法

目 次

第一章 総則(第一条〜第五条)

第二章 行政機関が保有する個人情報の保護

第三章 事業者が保有する個人情報の保護 第四章 雑則(第四十一条〜第四十三条)

附 則

 

第一章 総 則

(目的)

第一条 この法律は、個人の尊厳を保つ上で個人情報の保護が重要であることにかんがみ、行政機関が保有する個人情報の開示、訂正及ぴ是正を求める個入の権利を明らかにするとともに、個人情報の適正な取扱いの確保に関し必要な事項を定めることにより、個人情報の取扱いに伴う個人の権利利益の侵害の防止を図り、もって個人のプライバシーの保護その他の基本的人権の擁護及ぴ公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(行政機関の責務)

第三条 行政機関は、この法律の目的を達成するため、あらゆる施策を通じて個人情報の保護に努めるとともに、個人情報の保護の重要性について国民及ぴ事業者の意識啓発に努めなけれぱならない。

(事業者の責務)

第四条 事業者は、個人情報の保護の重要性を認識し、個人情報の取扱いに伴う個人の権利利益の侵害の防止に関し必要な措置を講ずるとともに、個人情報の保護のための行政機関の施策に協力する責務を有する。

事業者は、その事業活動に伴って保有する個人情報について、本人にその存在及ぴ内容を知るための機会を提供するよう努めなけれぱならない。

(国民の役割)

第五条 国民は、個人情報の保護の重要性を認識し、他人の個人情報をみだりに取り扱わないようにするとともに、自ら個人情報の保護を心掛けることによって、個人情報の保護に積極的な役割を果たすものとする。

 

(取扱いの制限)

第六条 行政機関は、次に掲げる事項に関する個人情報を取り扱ってはならない。ただし、法令の規定に基づいて取り扱うとき、又はあらかじめ個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴いた上で正当な事務若しくは事業の実施のために必要があると認めて取り扱うときは、この限りでない。

(個人情報取扱事務の登録)

第七条 行政機関は、個人情報を取り扱う事務(個人の氏名、生年月日その他の記述又は個人別に付された番号、記号その他の符号により個人を検索し得る形で個人情報が記録された公文書又は磁気テープ等(一般に入手し得る刊行物等を除く。第四号において「個人情報記録」という。)を使用する事務に限る。以下この条において「個人情報取扱事務」という。)について、次に掲げる事項を記載した個人情報事務登録簿を備えなけれぱならない。

行政機関は、個人情報取扱事務を新たに開始しようとするときは、あらかじめ、当該個人情報取扱事務について個人情報事務登録簿に登録しなけれぱならない。登録した事項を変更しようとするときも、同様とする。

行政機関は、前項の規定により登録したときは、遅滞なく、登録した事項を審議会に報告しなけれぱならない。この場合において、審議会は、当該事項について意見を述べることができる。

行政機関は、第二項の規定により登録した個人情報取扱事務を廃止したときは、遅溝なく、当該個人情報取扱事務に係る登録を抹消し、その旨を審議会に報告しなけれぱならない。

行政機関は、個人情報事務登録簿を一般の縦覧に供さなけれぱならない。

(収集の制限)

第八条 行政機関は、個人情報を収集するときは、あらかじめ個人情報を取り扱う目的(以下「取扱目的」という。)を明確にし、収集する個人情報の範囲を当該取扱目的の達成のために必要な限度を超えないものとしなけれぱならない。

行政機関は、個人情報を収集するときは、適法かつ公正な手段により収集しなけれぱならない。

行政機関は、個人情報を収集するときは、本人から収集しなけれぱならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

行政機関は、前項第三号又は第六号の規定に該当して本人以外の者から個人情報を収集したときは、その旨及ぴ当該個人情報に係る取扱巨的を本人に通知しなければならない。ただし、審議会の意見を聴いた上で適当と認めたときは、この限りでない。

法令の規定に基づく申請、届出その他これらに類する行為に伴い、当該申請、届出その他これらに類する行為を行おうとする者以外の個人に関する個人情報が収集されたときは、当該個人情報は、第三項第二号の規定に該当して収集されたものとみなす。

(利用及び提供の制限)

第九条 行政機関は、個人情報を収集したときの取扱目的以外の目的に当該個人情報を利用し、又は提供してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

行政機関は、前項第三号又は第四号の規定に該当して個人情報を利用し、又は提供したときは、その旨及ぴ目的を本人に通知しなけれぱならない。ただし、審議会の意見を聴いた上で適当と認めたときは、この限りでない。

(オンライン結合による提供)

第十条 行政機関は、公益上の必要があり、かつ、個人の権利利益を侵害するおそれがないと認められるときでなければ、オンライン結合(当該行政機関が管理する電子計算機と行政機関以外の者が管理する電子計算機その他の機器とを通信回線を用いて結合し、当該行政機関が保有する個人情報を当該行政機関以外の者が随時入手し得る状態にする方法をいう。次項において同じ。)による個人情報の提供を行ってはならない。

行政機関は、オンライン結合による個人情報の提供を新たに開始しようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。その内容を変更しようとするときも、同様とする。

(安全性、正確性等の確保措置)

第十一条 行政機関は、個人情報の漏えい、き損及ぴ滅失の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずるよう努めなけれぱならない。

行政機関は、取扱目的に必要な範囲内で、その保有する個人情報を正確、安全かつ最新なものに保つよう努めなけれぱならない。

(職員の義務)

第十二条 行政機関の職員は、職務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(取扱い等の委託)

第十三条 行政機関は、個人情報の取扱いを伴う事務又は事業の全部又は一部を行政機関以外の者に委託するときは、当該契約において、個人情報の適切な取扱いについて受託者が講ずべき措置を明らかにしなけれぱならない。

行政機関から個人情報取扱事務の委託を受けたものは、個人情報の適切な取扱いを講ずるよう努めなけれぱならない。

前項の委託を受けた事務に従事している者又は従事していた者は、その事務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。

(廃棄)

第十四条 行政機関は、取扱目的に関し保存する必要がなくなった個人情報を、確実に、かつ、速やかに廃棄しなけれぱならない。ただし、歴史的文化的資料の保存を自的とする施設において当該目的のために保存されることとなる個人情報については、この限りでない。

 

(自己情報の開示請求権)

第十五条 何人も、行政機関が保有する自己を本人とする個人情報の開示(個人情報が存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。)を請求することができる。

未成年者又は禁治産者の法定代理人は、本人に代わって前項の開示の請求(以下「開示の請求」という。)をすることができる。

行政機関は、開示の請求があったときは、第十八条第一項及ぴ第二項に規定する方法により当該開示の請求に係る個人情報の開示をしなけれぱならない。

行政機関は、前項の規定にかかわらず、開示の請求に係る個人情報について開示をすることか次の各号のいずれかに該当するときは、当該個人情報の全部又は一部の開示をしないことができる。

行政機関は、前条各号のいずれかに該当する個人情報で、当該個人情報が記録されていることにより、その記録されている個人情報について個人情報を開示しないことかできるとされるものについては、その部分を容易に、かつ、開示請求の趣旨を損なわない程度に分離できるときは、その部分を除いて、当該個人情報を開示しなけれぱならない。

(開示の請求の手続)

第十六条 開示の請求をしようとする者は、当該開示の請求に係る個人情報を保有している行政機関に対して、次に掲げる事項を記載した請求書を提出しなければならない。

開示の請求をしようとする者は、当該開示の請求をしようとする者が当該開示の請求に係る個人情報の本人であることを確認するために必要な書類で行政機関が定めるものを提出し、又は提示しなければならない。

(開示の請求に対する決定等)

第十七条 行政機関は、開示の請求があったときは、当該開示の請求があった日から起算して十五日以内に、当該開示の請求について開示又は不開示の決定をしなけれぱならない。ただし、当該期問内に決定をすることができないことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ後、決定をすることができる。

行政機関は、前項の決定をしたときは、その旨を請求者に書面で通知しなければならない。

前項の場合において、不開示の決定をしたときは、その理由を併せて通知しなければならない。この場合において、当該理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができるときは、その期日を明らかにしなけれぱならない。

(開示の方法)

第十八条 行政機関は、前条第一項の規定により開示の決定をしたときは、速やかに、次の各号に掲げる個人情報の区分ごとに、当該各号に定める方法により開示をするものとする。ただし、個人情報が存在しないときにあっては、前条第二項の書面でその旨を併せて通知するものとする。

行政機関は、公文書に記録されている個人情報の開示をする場合であって、前項第一号に規定する方法によると、当該公文書を汚損し、又は破損するおそれがあると認めるときその他相当の理由があるときは、同号の規定にかかわらず、当該公文書を複写したものの閲覧又は写しの交付により開示をすることができる。

個人情報の開示を受ける者は、当該開示を受ける者が当該開示に係る個人情報の本人であることを確認するために必要な書類で行政機関が定めるものを提示しなけれぱならない。

(開示の請求の特例)

第十九条 行政機関があらかじめ定めた個人情報については、第十六条第一項の規定にかかわらず、開示の請求は口頭により行うことができる。

行政機関は、前項の規定によりあらかじめ定めた個人情報について開示の請求があったときは、第十七条及ぴ前条第一項の規定にかかわらず、開示又は不開示の決定をしないで、速やかに、同項及ぴ同条第二項に規定する方法により開示をするものとする。

(費用負担)

第二十条 第十八条第一項及ぴ第二項に規定する方法のうち写しの交付に要する費用は、請求者の負担とする。

(自己情報の訂正請求権)

第二十一条 何人も、行政機関が保有する自己を本人とする個人情報について事実に誤りがあると認めるときは、その訂正(削除を含む。以下同じ。)を請求することができる。

第十五条第二項の規定は、前項の訂正の請求(以下「訂正請求」という。)について準用する。

(訂正の請求の手続)

第二十二条 訂正の請求をしようとする者は、当該訂正の請求に係る個人情報を保有している行政機関に対して、次に掲げる事項を記載した請求書を提出しなけれぱならない。

訂正の請求をしようとする者は、当該訂正の内容が事実に合致することを証明する書類を提出し、又は提示しなけれぱならない。

第十六条第二項の規定は、訂正の請求について準用する。

(訂正の請求に対する決定等)

第二十三条 行政機関は、訂正の請求があったときは、当該訂正の請求があった日から起算して三十日以内に、必要な調査を行い、訂正をする旨又はしない旨の決定をしなけれぱならない。ただし、当該期間内に決定をすることができないことについてやむを得ない理由があるときは、その理由がやんだ後、決定をすることができる。

行政機関は、前項の規定により訂正をする旨の決定をしたときは、当該訂正の請・求に係る個人情報の訂正をした上、当該訂正の請求をした者に訂正の内容並ぴに訂正の理由を書面で通知しなけれぱならない。

行政機関は、第一項の規定により訂正をしない旨の決定をしたときは、当該訂正の請求をした者にその旨及ぴその理由を書面で通知しなけれぱならない。

(個人情報保護審査会)

第二十四条 行政機関は、第十七条第一項又は前条第一項の決定について、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てがあった場合は、その不服申立てを不適法であることを理由に却下するときを除き、遅滞なく、神奈川県個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)の議を経て、当該不服申立てについての決定を行わなけれぱならない。

審査会は、行政機関から議に付された事案の審議を行うため、不服申立人、当該行政機関の職員その他関係者に対して、意見若しくは説明又は必要な書類の提出を求めることができる。必要な書類の提出を求められた者はこれを拒むことができない。

審査会は、事業者、行政機関の職員その他事案の関係者に対し、第一項の決定があった公文書又はその部分と請求拒否の理由とを審査会の指定する方式により分類・整理することその他の方法により、諮間に関する説明を求めることができる。

本条に規定するもののほか、不服申立てに関する手続については情報公開法(要綱案)第17から第21までを準用する。

(閉示の請求及び訂正の請求の適用除外)

第二十五条 第十五条から第二十条まで及ぴ前条の規定は、他の法令の規定により、公文書の閲覧又は縦覧及ぴ写しの交付の手続が定められているとき、公文書の謄本、抄本等の交付の手続が定められているときその他第十八条第一項及ぴ第二項に規定する方法による個人情報の間示の手続が定められているときにおける個人情報の開示については、適用しない。

第二十一条から前条までの規定は、他の法令の規定により、個人情報の訂正の手続が定められているときにおける個人情報の訂正については、適用しない。

 

(自己情報の取扱いの是正の請求)

第二十六条 何人も、行政機関が行う自己を本人とする個人情報の取扱いが不適正であると認めるときは、当該個人情報の取扱いの是正(事実の誤りの訂正を除く。以下この条において同じ。)を請求することができる。

第十五条第二項の規定は、前項の是正の請求(以下この条において「是正の請求」という)について準用する。

是正の請求をしようとする者(以下この条において「請求者」という。)は、当該是正の請求に係る個人情報の取扱いを行っている行政機関に対して、次に掲げる事項を記載した請求書を提出しなけれぱならない。一請求者の氏名及ぴ住所二不適正であると認める個人情報の取扱い三求める是正の内容四その他行政機関が定める事項

第十六条第二項の規定は、是正の請求について準用する。

行政機関は、是正の請求を受けたときは、遅滞なく、当該是正の請求に係る個人情報の取扱いについて必要な調査を行い、審査会の意見を聴いた上で、当該是正の請求に対する処理を行い、その内容を請求者に書面で通知しなければならない。

行政機関は、請求者の同意があるときは、審査会の意見を聴かずに、前項の規定による通知を行うことができる。この場合において、通知を行った後、遅滞なく、審査会に処理の経過を報告しなけれぱならない。

行政機関は、第五項の処理の内容が審査会の意見と異なるときは、当該意見を付して、当該是正の請求に係る処理の経過を公表しなければならない。

第二十四条の規定は、第五項の規定により行政機関から諮間を受けた是正の請求に係る審査会の審査について準用する。

 

(適用除外)

第二十七条 統計法(昭和二十二年法律第十八号)第二条に規定する指定統計を作成するために集められた個人情報及ぴ同法第八条第一項の規定により総務庁長官に届け出られた統計調査によって集められた個人情報並ぴに統計報告調整法(昭和二十七年法律第百四十八号)の規定により総務庁長官の承認を受けた統計報告(専ら統計を作成するために用いられる事項に係る部分に限る。)の徴集によって得られた個人情報については、この章の規定は、適用しない。

図書館、博物館、美術館その他これらに類する施設において、一般の利用に供することを巨的として、収集し、整理し、及ぴ保存している個人情報については、この章の規定は、適用しない。

 

(事業者に対する指導助言等)

第二十八条 行政機関の長は、事業者が個人情報の保護のための措置を適切に講ずることができるように、指導助言を行う等必要な施策を講じなければならない。

行政機関の長は、前項の施策を講ずるに当たっては、事業者の自主的な努力を助長することを旨とするものとする。

(個人情報の取扱いに関する指針)

第二十九条 行政機関の長は、審議会の意見を聴いた上で、事業者がその事業活動に伴って行う個人情報を取扱いのよりどころとなる指針を作成し、公表することができる。

 

(個人情報の取扱いに係る業務の登録)

第三十条 事業者は、個人情報を取扱いに係る業務に関し、次に掲げる事項「以下「登録事項」という。)について、当該業務を所轄する行政機関の長の登録を受けることができる。

前項の登録(以下「業務の登録」という。)を受けようとする事業者は、法令で定めるところにより、行政機関の長に申請しなければならない。

行政機関の長は、前項の規定による申請があったときは、登録事項を規則で定める登録簿に登録するものとする。ただし、審議会の意見を聴いた上で、当該申請に係る個人情報の取扱いが著しく不適正であると認めるときは、業務の登録を拒むことができる。

行政機関の長は、前項の登録簿を一般の縦覧に供さなけれぱならない。

(業務の登録を受けた事業者に対する調査の要請)

第三十一条 行政機関の長は、必要があると認めるときは、業務の,登録を受けた事業者(以下「登録事業者」という。)に対して、当該業務の登録を受けた業務に関して説明又は資料の提出を要請することができる。

(業務の登録の表示)

第三十二条 登録事業者は、業務の登録を受けた業務に係る個人情報の取扱いについて、その旨を表示することができる。

(変更の申請)

第三十三条 登録事業者は、第三十条第一項第二号及ぴ第三号に掲げる登録事項を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、登録事項の変更を行政機関の長に申請しなけれぱならない。

第三十条第三項の規定は、前項の規定による申請について準用する。この場合において、同条第三項申「前項」とあるのは「第三十三条第一項」と、「登録事項を規則で定める登録簿に登録するものとする」とあるのは「当該申請に係る登録事項の変更を行うものとする」と、「業務の登録」とあるのは「当該変更」と読み替えるものとする。

(変更又は廃止の届出)

第三十四条 登録事業者は、登録事項(第三十条第一項第二号及ぴ第三号に掲げる登録事項を除く。)に変更があったとき、又は業務の登録に係る業務を廃止したときは、遅滞なく、当該変更に係る事項又は業務を廃止した旨を行政機関の長に届け出なければならない。

(業務の登録の抹消)

第三十五条 行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当するときは、業務の登録を抹消することができる。

  (調査及び公表)

第三十六条 行政機関の長は、事業者が行う個人情報の取扱いが不適正である疑いがあると認めるときは、事実を明らかにするために必要な限度において、当該事業者に対して、説明又は資料の提出を要請することができる。

行政機関の長は、事業者が前項の規定による要請を正当な理由なく拒んだときは、その事実を公表することができる。

(勧告及び公表)

第三十七条 行政機関の長は、事業者が行う個人情報の取扱いが著しく不適正であると認めるときは、審議会の意見を聴いた上で、当該事業者に対して、当該取扱いの是正を勧告することができる。

行政機関の長は、前項の規定による勧告を受けた事業者か、当該勧告に従わないときは、その事実を公表することができる。

(弁明の機会供与等)

第三十八条 行政機関の長は、第三十六条第二項又は前条第二項の規定により公表しようとするときは、事業者に弁明の機会を与えた上で、審議会の意見を聴かなけれぱならない。

(苦情相談の処理)

第三十九条 行政機関の長は、事業者が行う個人情報の取扱いに関する苦情相談があったときは、迅速かつ適正に処理するものとする。

行政機関の長は、前項の規定による処理のために必要があると認めるときは、事業者その他の関係者に対して、説明又は資料の提出を要請することができる。

 

(他の機関どの協力)

第四十条 行政機関の長は、この章の規定に基づく施策を実施するに当たり、個人情報の取扱いに伴う個人の権利利益の侵害を防止するため必要があると認めるときは、国会、裁判所又は地方公共団体に対して、協力を求めるものとする。

行政機関の長は、事業者が行う個人情報の取扱いに係る個人の権利利益の保護を目的として国会、裁判所又は地方公共団体が行う施策に協力することを求められたときは、その求めに応ずるものとする。

 

(運営状況の公表)

第四十一条 行政機関は、毎年、この法律の運営の状況について、一般に公表するものとする。この場合において、行政機関の長は、第三章の規定の運営の状況を併せて公表するものとする。

(審議会の建議等)

第四十二条 審議会は、この法律の運用に関する事項について調査審議し、行政機関に対し、個人情報保護制度の在り方について建議することができる。

審議会の組織、運営等については、第二十四条第四項を準用する。

(審査会及び審議会の委員の守秘義務)

第四十三条 審査会及ぴ審議会の委員は、職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(委任)

第四十四条 この法律の施行に関し、行政機関が保有する個人情報の保護について必要な事項は行政機関が、事業者が保有する個人情報の保護について必要な事項は行政機関の長が定める。

 

(施行期日)

この法律は、平成 年 月 日から施行する。

(経過措置)

この法律の施行の際現に行われている個人情報を取り扱う事務については、第七条第二項の規定中「を新たに開始しようとするときは、あらかじめ、当該個人情報取扱事務について」とあり、及ぴ第十条第二項の規定中「を新たに開始しようとするときは、あらかじめ」とあるのは、「について、この条例の施行の日以後、遅滞なく」と読み替えて、これらの規定を適用する。

(附属機関の設置に関する条例の一部改正)