【第二部】応援のメッセージC
横田克巳(市民がつくる政策調査会)

  ご紹介いただきました横田でございます。私は、この市民立法機構に一番期待している一人だと自負しておりますが、二つ理由をあげることができると思います。
  一つは、須田さん固有の長時間フォーラムに、この間つきあってきました。非常に多様なテーマが興味深く展開されておりまして、これから私自身のテーマとしても非常に勉強させていただけるであろうということであります。もう一つは、今ご紹介ありましたように「市民がつくる政策調査会」ですが、これは市民立法が、終着点だとすれば、日本のこの市民社会に生まれてきている多様な問題、生活と運動から発生する課題を整理していかに政策形成過程をつくり出すかということを、考え実践しようとしているわけです。私は代表運営委員ですが、実は須田さんもその一人ですので、心強く思っています。日本の市民社会は着実に確立されつつありますが、よく議論をしますと「市民はいるのか」という問いにぶつかります。これはおそらく市民が、日常的に政治生活を表現していないということだろうし、政策形成に関与をしていないということの表れだと考えております。市民政調とすれば、この政策形成過程を一緒につくり、あるいは支援をして政治過程に結び付けていくことが仕事だというふうに考えています。それができればおそらく、この日本の市民社会に現れている市民の潜在力というものは、おそらく今ある「政治の行政化」「行政の政治化」という永田町と霞ヶ関がつくってしまった悪循環を断ちきれるのではないでしょうか。松下先生が言われたように、とても長い時間がかかるとなると、私も生きていないわけですが、活力ある市民の参加と責任の増大をいとわないという手がかりができれば意外と早いのではないか、こういう期待をしています。
  問題は、日本の市民社会を形成してきたのは、主に産業資本のセクターと公的な税金セクター、この二つの請け負い型のシステムを駆使しているセクターが動かしてきたところにあります。ともかく市民が活殺自在権としての主権を確立していくためには、「市民資本セクター」を形成をしなければいけません。そういう課題を実践するという点で、できれば市民立法機構と市民政調は二人三脚で仕事ができれば幸せだと思っています。これから不十分でも地方分権が進んで地方政府が生まれれば、ここにローカルな約束事として、生活福祉型の社会を賄うための条例が必要になるはずです。そうなると市民立法機構から条例モデルがたくさんでてきて、市民政調がそれを受けて全国津々浦々で自治体を市民の手でゆさぶり立法化の実践をしてみる、こういうことができればと考えています。
  最後に今日は5月9日であります。市民立法機構が、これから大いに活躍して日本の市民社会の変革に役立った記念日として、「市民立法記念日」をつくれるほど発展すれば、ゴールデンウィークの連休が長くなるというオール市民の目標を掲げていければと、そういう点で期待をしておりますし、私も市民立法機構の一員として努力をしていきたいと思います。今日はどうもおめでとうございました。