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書名:  異端の匣
ミステリー・ホラー・ファンタジー論集 著者: 川村湊著
価格(税抜): 2,800 シリーズ:  発行: 2010年3月 ISBN: 4-7554-0203-6

日本の「異端」文学。中井英夫、竹本健治、笠井潔、江戸川乱歩、稲垣足穂、橘外男、久生十蘭、国枝史郎、山田風太郎、矢切止夫、宇能鴻一郎、坂東眞砂子、高橋克彦、鈴木光司、島田一男『、笹倉明、胡桃沢耕史、赤川次郎、陳舜臣らを論じる



『異端の匣』もくじ

1 紙の中の殺人 5
黒い白鳥の歌──中井英夫論1 6
漂流する「密室」──中井英夫論2『虚無への供物』 16
監視人のいない檻──竹本健治『匣の中の失楽』、笠井潔『バイバイ、エンジェル』 43
探偵の恋──江戸川乱歩・三島由紀夫『黒蜥蜴』 70
「少年探偵団」の謎 78
密室列島の殺人事件──戦後ミステリー史の展望 88

2 「外側」の少年 103
少年と物ノ怪の世界──稲垣足穂論 104
「外側」にいる少年──橘外男論 116
〈鈴木主水〉の語り手たち──久生十蘭論T 132
〈滅びの一族〉について──久生十蘭論U 150

3 禁忌の部屋 159
国枝史郎という禁忌──国枝史郎論 160
「忍法帖」の時代──山田風太郎論1 169
闇の中の「虚」と「実」──山田風太郎2 176
「サンカ」の発見──矢切止夫論1 194
利休殺しの涙雨──矢切止夫論2 202
文学という妖夢──宇能鴻一郎論 208

4 少女の系譜 217
妹の恋──大正・昭和の“少女”文学 218
月の暦──“少女病”の系譜 237
ブリキの月、空にかかりて──大正幻想文学十選 249

5 因果の軛 261
綺堂・綺譚・綺語──岡本綺堂の怪談世界 262
「因果」の軛──坂東眞砂子論 273
道の奥の記憶──高橋克彦『緋い記憶』 294
人間の輪の不思議と不気味──鈴木光司『リング』三部作について 303

6 庶民の冒険 311
〈黙示録世界〉のアルケオロジー──笠井潔『巨人伝説《復活篇》』 312
都市の生み出す犯罪──島田一男『自殺の部屋』 317
海峡をめぐるミステリー──笹倉明『女たちの海峡』 322
庶民の冒険──胡桃沢耕史『危険な旅は死の誘惑』 328
三毛猫ホームズの“父”──赤川次郎『三毛猫ホームズの正誤表』 334
カルチュラル・スタディーズとしての陳舜臣作品──陳舜臣『杭州菊花園』 340

『紙の中の殺人』あとがき 345
『異端の匣』あとがき 347
初出一覧 350